問いを分割、整理する
前回、前々回の記事で話をあれこれ広げてしまったが、結局自分が最終的に主張したいことは何なのか、と言われると、大変恥ずかしいことに、よく分からないのである。こんな体たらくでよく修士論文が書けたものだと自分でも呆れてしまうが、幾つか言い訳をさせていただきたい。ひとつに、このテーマに関して、先行研究が極めて乏しい、というかほぼ皆無同然で、論文等で定番の「○○の理論ではこういう点が説明できないが、私の理論ではそれが説明できる(し、さらにはこの問題も解決できる)」という定石の論法さえままらなかった、というのがある。それともうひとつ、このテーマに関わってくる問題があまりに広かったのというのがある。テーマの選び方が悪かったのもあるが、そもそも、問題を分割するということが今までろくに出来てなかったのだと思う。「困難は分割せよ」といった趣旨のことをデカルトが『方法序説』で書いているが、全く仰るとおりと言う外ない。という訳で、今までの記事で述べてきたことをもとに、論としての構成はひとまずさておいて、問われるべき問いを分割、整理して列挙することとした。 “形容詞を巡る問い(3)――なされるべきことの整理(1)” の続きを読む