この法律は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)と相まつて、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の 措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進 することを目的とする。
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 労働災害 労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡することをいう。
二 労働者 労働基準法第九条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。)をいう。
三 事業者 事業を行う者で、労働者を使用するものをいう。
三の二 化学物質 元素及び化合物をいう。
四 作業環境測定 作業環境の実態をは握するため空気環境その他の作業環境について行うデザイン、サンプリング及び分析(解析を含む。)をいう。
事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。
2 機械、器具その他の設備を設計し、製造し、若しくは輸入する者、原材料を製造し、若しくは輸入する者又は建設物を建設し、若しくは設計する者は、これらの 物の設計、製造、輸入又は建設に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければならない。
3 建設工事の注文者等仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法、工期等について、安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならない。
労働者は、労働災害を防止するため必要な事項を守るほか、事業者その他の関係者が実施する労働災害の防止に関する措置に協力するように努めなければならない。
二以上の建設業に属する事業の事業者が、一の場所において行われる当該事業の仕事を共同連帯して請け負つた場合においては、厚生労働省令で定めるところにより、そのうちの一人を代表者として定め、これを都道府県労働局長に届け出なければならない。
2 前項の規定による届出がないときは、都道府県労働局長が代表者を指名する。
3 前二項の代表者の変更は、都道府県労働局長に届け出なければ、その効力を生じない。
4 第一項に規定する場合においては、当該事業を同項又は第二項の代表者のみの事業と、当該代表者のみを当該事業の事業者と、当該事業の仕事に従事する労働者を当該代表者のみが使用する労働者とそれぞれみなして、この法律を適用する。
厚生労働大臣は、労働政策審議会の意見をきいて、労働災害の防止のための主要な対策に関する事項その他労働災害の防止に関し重要な事項を定めた計画(以下「労働災害防止計画」という。)を策定しなければならない。
厚生労働大臣は、労働災害の発生状況、労働災害の防止に関する対策の効果等を考慮して必要があると認めるときは、労働政策審議会の意見をきいて、労働災害防止計画を変更しなければならない。
厚生労働大臣は、労働災害防止計画を策定したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
厚生労働大臣は、労働災害防止計画の的確かつ円滑な実施のため必要があると認めるときは、事業者、事業者の団体その他の関係者に対し、労働災害の防止に関する事項について必要な勧告又は要請をすることができる。
事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は第二十 五条の二第二項の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させなければならない。
一 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。
二 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。
三 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。
四 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。
五 前各号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な業務で、厚生労働省令で定めるもの
2 総括安全衛生管理者は、当該事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもつて充てなければならない。
3 都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者に勧告することができる。
事業者は、政令で定める業種及び規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、安全管理者を選 任し、その者に前条第一項各号の業務(第二十五条の二第二項の規定により技術的事項を管理する者を選任した場合においては、同条第一項各号の措置に該当す るものを除く。)のうち安全に係る技術的事項を管理させなければならない。
2 労働基準監督署長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、事業者に対し、安全管理者の増員又は解任を命ずることができる。
事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、都道府県労働局長の免許を受けた者その他厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定め るところにより、当該事業場の業務の区分に応じて、衛生管理者を選任し、その者に第十条第一項各号の業務(第二十五条の二第二項の規定により技術的事項を 管理する者を選任した場合においては、同条第一項各号の措置に該当するものを除く。)のうち衛生に係る技術的事項を管理させなければならない。
2 前条第二項の規定は、衛生管理者について準用する。
事業者は、第十一条第一項の事業場及び前条第一項の事業場以外の事業場で、厚生労働省令で定める規模のものごとに、厚生労働省令で定めるところにより、安 全衛生推進者(第十一条第一項の政令で定める業種以外の業種の事業場にあつては、衛生推進者)を選任し、その者に第十条第一項各号の業務(第二十五条の二 第二項の規定により技術的事項を管理する者を選任した場合においては、同条第一項各号の措置に該当するものを除くものとし、第十一条第一項の政令で定める 業種以外の業種の事業場にあつては、衛生に係る業務に限る。)を担当させなければならない。
事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、医師のうちから産業医を選任し、その者に労働者の健康管理その他の厚生労働省令で定める事項(以下「労働者の健康管理等」という。)を行わせなければならない。
2 産業医は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について厚生労働省令で定める要件を備えた者でなければならない。
3 産業医は、労働者の健康を確保するため必要があると認めるときは、事業者に対し、労働者の健康管理等について必要な勧告をすることができる。
4 事業者は、前項の勧告を受けたときは、これを尊重しなければならない。
事業者は、前条第一項の事業場以外の事業場については、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識を有する医師その他厚生労働省令で定める者に労働者の健康管理等の全部又は一部を行わせるように努めなければならない。
事業者は、高圧室内作業その他の労働災害を防止するための管理を必要とする作業で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の免許を受けた者又は都 道府県労働局長の登録を受けた者が行う技能講習を修了した者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、当該作業の区分に応じて、作業主任者を選任 し、その者に当該作業に従事する労働者の指揮その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。
事業者で、一の場所において行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせているもの(当該事業の仕事の一部を請け負わせる契約が二以上あるため、その者が二 以上あることとなるときは、当該請負契約のうちの最も先次の請負契約における注文者とする。以下「元方事業者」という。)のうち、建設業その他政令で定め る業種に属する事業(以下「特定事業」という。)を行う者(以下「特定元方事業者」という。)は、その労働者及びその請負人(元方事業者の当該事業の仕事 が数次の請負契約によつて行われるときは、当該請負人の請負契約の後次のすべての請負契約の当事者である請負人を含む。以下「関係請負人」という。)の労 働者が当該場所において作業を行うときは、これらの労働者の作業が同一の場所において行われることによつて生ずる労働災害を防止するため、統括安全衛生責 任者を選任し、その者に元方安全衛生管理者の指揮をさせるとともに、第三十条第一項各号の事項を統括管理させなければならない。
2 統括安全衛生責任者は、当該場所においてその事業の実施を統括管理する者をもつて充てなければならない。
3 第三十条第四項の場合において、同項のすべての労働者の数が政令で定める数以上であるときは、当該指名された事業者は、これらの労働者に関し、これらの労 働者の作業が同一の場所において行われることによつて生ずる労働災害を防止するため、統括安全衛生責任者を選任し、その者に元方安全衛生管理者の指揮をさ せるとともに、同条第一項各号の事項を統括管理させなければならない。
4 第一項又は前項に定めるもののほか、第二十五条の二第一項に規定する仕事が数次の請負契約によつて行われる場合においては、第一項又は前項の規定により統 括安全衛生責任者を選任した事業者は、統括安全衛生責任者に第三十条の三第五項において準用する第二十五条の二第二項の規定により技術的事項を管理する者 の指揮をさせるとともに、同条第一項各号の措置を統括管理させなければならない。
5 第十条第三項の規定は、統括安全衛生責任者の業務の執行について準用する。
前条第一項又は第三項の規定により統括安全衛生責任者を選任した事業者で、建設業その他政令で定める業種に属する事業を行うものは、厚生労働省令で定める 資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、元方安全衛生管理者を選任し、その者に第三十条第一項各号の事項のうち技術的事項を管理さ せなければならない。
2 第十一条第二項の規定は、元方安全衛生管理者について準用する。
建設業に属する事業の元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者が一の場所(これらの労働者の数が厚生労働省令で定める数未満である場所及び第十五 条第一項又は第三項の規定により統括安全衛生責任者を選任しなければならない場所を除く。)において作業を行うときは、当該場所において行われる仕事に係 る請負契約を締結している事業場ごとに、これらの労働者の作業が同一の場所で行われることによつて生ずる労働災害を防止するため、厚生労働省令で定める資 格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、店社安全衛生管理者を選任し、その者に、当該事業場で締結している当該請負契約に係る仕事を 行う場所における第三十条第一項各号の事項を担当する者に対する指導その他厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。
2 第三十条第四項の場合において、同項のすべての労働者の数が厚生労働省令で定める数以上であるとき(第十五条第一項又は第三項の規定により統括安全衛生責 任者を選任しなければならないときを除く。)は、当該指名された事業者で建設業に属する事業の仕事を行うものは、当該場所において行われる仕事に係る請負 契約を締結している事業場ごとに、これらの労働者に関し、これらの労働者の作業が同一の場所で行われることによつて生ずる労働災害を防止するため、厚生労 働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、店社安全衛生管理者を選任し、その者に、当該事業場で締結している当該請負 契約に係る仕事を行う場所における第三十条第一項各号の事項を担当する者に対する指導その他厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。
第十五条第一項又は第三項の場合において、これらの規定により統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人で、当該仕事を自ら行うものは、安全衛生責任者を選任し、その者に統括安全衛生責任者との連絡その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。
2 前項の規定により安全衛生責任者を選任した請負人は、同項の事業者に対し、遅滞なく、その旨を通報しなければならない。
事業者は、政令で定める業種及び規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、安全委員会を設けなければならない。
一 労働者の危険を防止するための基本となるべき対策に関すること。
二 労働災害の原因及び再発防止対策で、安全に係るものに関すること。
三 前二号に掲げるもののほか、労働者の危険の防止に関する重要事項
2 安全委員会の委員は、次の者をもつて構成する。
一 総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者
二 安全管理者のうちから事業者が指名した者
三 当該事業場の労働者で、安全に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者
3 安全委員会の議長は、第一号の委員がなるものとする。
4 事業者は、第一号の委員以外の委員の半数については、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名しなければならない。
5 前二項の規定は、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合との間における労働協約に別段の定めがあるときは、その限度において適用しない。
事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、衛生委員会を設けなければならない。
一 労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策に関すること。
二 労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策に関すること。
三 労働災害の原因及び再発防止対策で、衛生に係るものに関すること。
四 前三号に掲げるもののほか、労働者の健康障害の防止及び健康の保持増進に関する重要事項
2 衛生委員会の委員は、次の者をもつて構成する。
一 総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者
二 衛生管理者のうちから事業者が指名した者
三 産業医のうちから事業者が指名した者
四 当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者
3 事業者は、当該事業場の労働者で、作業環境測定を実施している作業環境測定士であるものを衛生委員会の委員として指名することができる。
4 前条第三項から第五項までの規定は、衛生委員会について準用する。
事業者は、第十七条及び前条の規定により安全委員会及び衛生委員会を設けなければならないときは、それぞれの委員会の設置に代えて、安全衛生委員会を設置することができる。
2 安全衛生委員会の委員は、次の者をもつて構成する。
一 総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者
二 安全管理者及び衛生管理者のうちから事業者が指名した者
三 産業医のうちから事業者が指名した者
四 当該事業場の労働者で、安全に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者
五 当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者
3 事業者は、当該事業場の労働者で、作業環境測定を実施している作業環境測定士であるものを安全衛生委員会の委員として指名することができる。
4 第十七条第三項から第五項までの規定は、安全衛生委員会について準用する。
事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者、衛生推進者その他労働災害の防止のための業務に従事 する者に対し、これらの者が従事する業務に関する能力の向上を図るための教育、講習等を行い、又はこれらを受ける機会を与えるように努めなければならな い。
2 厚生労働大臣は、前項の教育、講習等の適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。
3 厚生労働大臣は、前項の指針に従い、事業者又はその団体に対し、必要な指導等を行うことができる。
国は、第十三条の二の事業場の労働者の健康の確保に資するため、労働者の健康管理等に関する相談、情報の提供その他の必要な援助を行うように努めるものとする。
事業者は、次の危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。
一 機械、器具その他の設備(以下「機械等」という。)による危険
二 爆発性の物、発火性の物、引火性の物等による危険
三 電気、熱その他のエネルギーによる危険
事業者は、掘削、採石、荷役、伐木等の業務における作業方法から生ずる危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。
2 事業者は、労働者が墜落するおそれのある場所、土砂等が崩壊するおそれのある場所等に係る危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。
事業者は、次の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
一 原材料、ガス、蒸気、粉じん、酸素欠乏空気、病原体等による健康障害
二 放射線、高温、低温、超音波、騒音、振動、異常気圧等による健康障害
三 計器監視、精密工作等の作業による健康障害
四 排気、排液又は残さい物による健康障害
事業者は、労働者を就業させる建設物その他の作業場について、通路、床面、階段等の保全並びに換気、採光、照明、保温、防湿、休養、避難及び清潔に必要な措置その他労働者の健康、風紀及び生命の保持のため必要な措置を講じなければならない。
事業者は、労働者の作業行動から生ずる労働災害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
事業者は、労働災害発生の急迫した危険があるときは、直ちに作業を中止し、労働者を作業場から退避させる等必要な措置を講じなければならない。
建設業その他政令で定める業種に属する事業の仕事で、政令で定めるものを行う事業者は、爆発、火災等が生じたことに伴い労働者の救護に関する措置がとられる場合における労働災害の発生を防止するため、次の措置を講じなければならない。
一 労働者の救護に関し必要な機械等の備付け及び管理を行うこと。
二 労働者の救護に関し必要な事項についての訓練を行うこと。
三 前二号に掲げるもののほか、爆発、火災等に備えて、労働者の救護に関し必要な事項を行うこと。
2 前項に規定する事業者は、厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、同項各号の措置のうち技術的事項を管理する者を選任し、その者に当該技術的事項を管理させなければならない。
労働者は、事業者が第二十条から第二十五条まで及び前条第一項の規定に基づき講ずる措置に応じて、必要な事項を守らなければならない。
第二十条から第二十五条まで及び第二十五条の二第一項の規定により事業者が講ずべき措置及び前条の規定により労働者が守らなければならない事項は、厚生労働省令で定める。
2 前項の厚生労働省令を定めるに当たつては、公害(環境基本法(平成五年法律第九十一号)第二条第三項に規定する公害をいう。)その他一般公衆の災害で、労働災害と密接に関連するものの防止に関する法令の趣旨に反しないように配慮しなければならない。
厚生労働大臣は、第二十条から第二十五条まで及び第二十五条の二第一項の規定により事業者が講ずべき措置の適切かつ有効な実施を図るため必要な業種又は作業ごとの技術上の指針を公表するものとする。
2 厚生労働大臣は、前項の技術上の指針を定めるに当たつては、中高年齢者に関して、特に配慮するものとする。
3 厚生労働大臣は、次の化学物質で厚生労働大臣が定めるものを製造し、又は取り扱う事業者が当該化学物質による労働者の健康障害を防止するための指針を公表するものとする。
一 第五十七条の四第四項の規定による勧告又は第五十七条の五第一項の規定による指示に係る化学物質
二 前号に掲げる化学物質以外の化学物質で、がんその他の重度の健康障害を労働者に生ずるおそれのあるもの
4 厚生労働大臣は、第一項又は前項の規定により、技術上の指針又は労働者の健康障害を防止するための指針を公表した場合において必要があると認めるときは、 事業者又はその団体に対し、当該技術上の指針又は労働者の健康障害を防止するための指針に関し必要な指導等を行うことができる。
事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等による、又は作業行動その他業務に起因する危険性又は有害性等 (第五十七条第一項の政令で定める物及び第五十七条の二第一項に規定する通知対象物による危険性又は有害性等を除く。)を調査し、その結果に基づいて、こ の法律又はこれに基づく命令の規定による措置を講ずるほか、労働者の危険又は健康障害を防止するため必要な措置を講ずるように努めなければならない。
2 厚生労働大臣は、前条第一項及び第三項に定めるもののほか、前項の措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。
3 厚生労働大臣は、前項の指針に従い、事業者又はその団体に対し、必要な指導、援助等を行うことができる。
元方事業者は、関係請負人及び関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反しないよう必要な指導を行なわなければならない。
2 元方事業者は、関係請負人又は関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反していると認めるときは、是正のため必要な指示を行なわなければならない。
3 前項の指示を受けた関係請負人又はその労働者は、当該指示に従わなければならない。
建設業に属する事業の元方事業者は、土砂等が崩壊するおそれのある場所、機械等が転倒するおそれのある場所その他の厚生労働省令で定める場所において関係 請負人の労働者が当該事業の仕事の作業を行うときは、当該関係請負人が講ずべき当該場所に係る危険を防止するための措置が適正に講ぜられるように、技術上 の指導その他の必要な措置を講じなければならない。
特定元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによつて生ずる労働災害を防止するため、次の事項に関する必要な措置を講じなければならない。
一 協議組織の設置及び運営を行うこと。
二 作業間の連絡及び調整を行うこと。
三 作業場所を巡視すること。
四 関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと。
五 仕事を行う場所が仕事ごとに異なることを常態とする業種で、厚生労働省令で定めるものに属する事業を行う特定元方事業者にあつては、仕事の工程に関する計 画及び作業場所における機械、設備等の配置に関する計画を作成するとともに、当該機械、設備等を使用する作業に関し関係請負人がこの法律又はこれに基づく 命令の規定に基づき講ずべき措置についての指導を行うこと。
六 前各号に掲げるもののほか、当該労働災害を防止するため必要な事項
2 特定事業の仕事の発注者(注文者のうち、その仕事を他の者から請け負わないで注文している者をいう。以下同じ。)で、特定元方事業者以外のものは、一の場 所において行なわれる特定事業の仕事を二以上の請負人に請け負わせている場合において、当該場所において当該仕事に係る二以上の請負人の労働者が作業を行 なうときは、厚生労働省令で定めるところにより、請負人で当該仕事を自ら行なう事業者であるもののうちから、前項に規定する措置を講ずべき者として一人を 指名しなければならない。
3 前項の規定による指名がされないときは、同項の指名は、労働基準監督署長がする。
4 第二項又は前項の規定による指名がされたときは、当該指名された事業者は、当該場所において当該仕事の作業に従事するすべての労働者に関し、第一項に規定する措置を講じなければならない。
製造業その他政令で定める業種に属する事業(特定事業を除く。)の元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われるこ とによつて生ずる労働災害を防止するため、作業間の連絡及び調整を行うことに関する措置その他必要な措置を講じなければならない。
2 前条第二項の規定は、前項に規定する事業の仕事の発注者について準用する。
3 前項において準用する前条第二項の規定による指名がされないときは、同項の指名は、労働基準監督署長がする。
4 第二項において準用する前条第二項又は前項の規定による指名がされたときは、当該指名された事業者は、当該場所において当該仕事の作業に従事するすべての労働者に関し、第一項に規定する措置を講じなければならない。
第二十五条の二第一項に規定する仕事が数次の請負契約によつて行われる場合(第四項の場合を除く。)においては、元方事業者は、当該場所において当該仕事の作業に従事するすべての労働者に関し、同条第一項各号の措置を講じなければならない。
2 第三十条第二項の規定は、第二十五条の二第一項に規定する仕事の発注者について準用する。
3 前項において準用する第三十条第二項の規定による指名がされないときは、同項の指名は、労働基準監督署長がする。
4 第二項において準用する第三十条第二項又は前項の規定による指名がされたときは、当該指名された事業者は、当該場所において当該仕事の作業に従事するすべての労働者に関し、第二十五条の二第一項各号の措置を講じなければならない。
5 第二十五条の二第二項の規定は、第一項に規定する元方事業者及び前項の指名された事業者について準用する。
特定事業の仕事を自ら行う注文者は、建設物、設備又は原材料(以下「建設物等」という。)を、当該仕事を行う場所においてその請負人(当該仕事が数次の請 負契約によつて行われるときは、当該請負人の請負契約の後次のすべての請負契約の当事者である請負人を含む。第三十一条の四において同じ。)の労働者に使 用させるときは、当該建設物等について、当該労働者の労働災害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
2 前項の規定は、当該事業の仕事が数次の請負契約によつて行なわれることにより同一の建設物等について同項の措置を講ずべき注文者が二以上あることとなるときは、後次の請負契約の当事者である注文者については、適用しない。
化学物質、化学物質を含有する製剤その他の物を製造し、又は取り扱う設備で政令で定めるものの改造その他の厚生労働省令で定める作業に係る仕事の注文者は、当該物について、当該仕事に係る請負人の労働者の労働災害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
建設業に属する事業の仕事を行う二以上の事業者の労働者が一の場所において機械で厚生労働省令で定めるものに係る作業(以下この条において「特定作業」と いう。)を行う場合において、特定作業に係る仕事を自ら行う発注者又は当該仕事の全部を請け負つた者で、当該場所において当該仕事の一部を請け負わせてい るものは、厚生労働省令で定めるところにより、当該場所において特定作業に従事するすべての労働者の労働災害を防止するため必要な措置を講じなければなら ない。
2 前項の場合において、同項の規定により同項に規定する措置を講ずべき者がいないときは、当該場所において行われる特定作業に係る仕事の全部を請負人に請け 負わせている建設業に属する事業の元方事業者又は第三十条第二項若しくは第三項の規定により指名された事業者で建設業に属する事業を行うものは、前項に規 定する措置を講ずる者を指名する等当該場所において特定作業に従事するすべての労働者の労働災害を防止するため必要な配慮をしなければならない。
注文者は、その請負人に対し、当該仕事に関し、その指示に従つて当該請負人の労働者を労働させたならば、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反することとなる指示をしてはならない。
第三十条第一項又は第四項の場合において、同条第一項に規定する措置を講ずべき事業者以外の請負人で、当該仕事を自ら行うものは、これらの規定により講ぜられる措置に応じて、必要な措置を講じなければならない。
2 第三十条の二第一項又は第四項の場合において、同条第一項に規定する措置を講ずべき事業者以外の請負人で、当該仕事を自ら行うものは、これらの規定により講ぜられる措置に応じて、必要な措置を講じなければならない。
3 第三十条の三第一項又は第四項の場合において、第二十五条の二第一項各号の措置を講ずべき事業者以外の請負人で、当該仕事を自ら行うものは、第三十条の三第一項又は第四項の規定により講ぜられる措置に応じて、必要な措置を講じなければならない。
4 第三十一条第一項の場合において、当該建設物等を使用する労働者に係る事業者である請負人は、同項の規定により講ぜられる措置に応じて、必要な措置を講じなければならない。
5 第三十一条の二の場合において、同条に規定する仕事に係る請負人は、同条の規定により講ぜられる措置に応じて、必要な措置を講じなければならない。
6 第三十条第一項若しくは第四項、第三十条の二第一項若しくは第四項、第三十条の三第一項若しくは第四項、第三十一条第一項又は第三十一条の二の場合において、労働者は、これらの規定又は前各項の規定により講ぜられる措置に応じて、必要な事項を守らなければならない。
7 第一項から第五項までの請負人及び前項の労働者は、第三十条第一項の特定元方事業者等、第三十条の二第一項若しくは第三十条の三第一項の元方事業者等、第 三十一条第一項若しくは第三十一条の二の注文者又は第一項から第五項までの請負人が第三十条第一項若しくは第四項、第三十条の二第一項若しくは第四項、第 三十条の三第一項若しくは第四項、第三十一条第一項、第三十一条の二又は第一項から第五項までの規定に基づく措置の実施を確保するためにする指示に従わな ければならない。
機械等で、政令で定めるものを他の事業者に貸与する者で、厚生労働省令で定めるもの(以下「機械等貸与者」という。)は、当該機械等の貸与を受けた事業者の事業場における当該機械等による労働災害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
2 機械等貸与者から機械等の貸与を受けた者は、当該機械等を操作する者がその使用する労働者でないときは、当該機械等の操作による労働災害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
3 前項の機械等を操作する者は、機械等の貸与を受けた者が同項の規定により講ずる措置に応じて、必要な事項を守らなければならない。
建築物で、政令で定めるものを他の事業者に貸与する者(以下「建築物貸与者」という。)は、当該建築物の貸与を受けた事業者の事業に係る当該建築物による労働災害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
一の貨物で、重量が一トン以上のものを発送しようとする者は、見やすく、かつ、容易に消滅しない方法で、当該貨物にその重量を表示しなければならない。
第三十条第一項若しくは第四項、第三十条の二第一項若しくは第四項、第三十条の三第一項若しくは第四項、第三十一条第一項、第三十一条の二、第三十二条第 一項から第五項まで、第三十三条第一項若しくは第二項又は第三十四条の規定によりこれらの規定に定める者が講ずべき措置及び第三十二条第六項又は第三十三 条第三項の規定によりこれらの規定に定める者が守らなければならない事項は、厚生労働省令で定める。
特に危険な作業を必要とする機械等として別表第一に掲げるもので、政令で定めるもの(以下「特定機械等」という。)を製造しようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、都道府県労働局長の許可を受けなければならない。
2 都道府県労働局長は、前項の許可の申請があつた場合には、その申請を審査し、申請に係る特定機械等の構造等が厚生労働大臣の定める基準に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
特定機械等を製造し、若しくは輸入した者、特定機械等で厚生労働省令で定める期間設置されなかつたものを設置しようとする者又は特定機械等で使用を廃止し たものを再び設置し、若しくは使用しようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該特定機械等及びこれに係る厚生労働省令で定める事項につい て、当該特定機械等が、特別特定機械等(特定機械等のうち厚生労働省令で定めるものをいう。以下同じ。)以外のものであるときは都道府県労働局長の、特別 特定機械等であるときは厚生労働大臣の登録を受けた者(以下「登録製造時等検査機関」という。)の検査を受けなければならない。
2 前項に定めるもののほか、次に掲げる場合には、外国において特定機械等を製造した者は、厚生労働省令で定めるところにより、輸入時等検査対象機械等につい て、自ら、当該特定機械等が、特別特定機械等以外のものであるときは都道府県労働局長の、特別特定機械等であるときは登録製造時等検査機関の検査を受ける ことができる。
一 当該特定機械等を本邦に輸出しようとするとき。
二 当該特定機械等を輸入した者が当該特定機械等を外国において製造した者以外の者(以下この号において単に「他の者」という。)である場合において、当該製造した者が当該他の者について前項の検査が行われることを希望しないとき。
3 特定機械等(移動式のものを除く。)を設置した者、特定機械等の厚生労働省令で定める部分に変更を加えた者又は特定機械等で使用を休止したものを再び使用 しようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該特定機械等及びこれに係る厚生労働省令で定める事項について、労働基準監督署長の検査を受けな ければならない。
都道府県労働局長又は登録製造時等検査機関は、前条第一項又は第二項の検査(以下「製造時等検査」という。)に合格した移動式の特定機械等について、厚生労働省令で定めるところにより、検査証を交付する。
2 労働基準監督署長は、前条第三項の検査で、特定機械等の設置に係るものに合格した特定機械等について、厚生労働省令で定めるところにより、検査証を交付する。
3 労働基準監督署長は、前条第三項の検査で、特定機械等の部分の変更又は再使用に係るものに合格した特定機械等について、厚生労働省令で定めるところにより、当該特定機械等の検査証に、裏書を行う。
前条第一項又は第二項の検査証(以下「検査証」という。)を受けていない特定機械等(第三十八条第三項の規定により部分の変更又は再使用に係る検査を受けなければならない特定機械等で、前条第三項の裏書を受けていないものを含む。)は、使用してはならない。
2 検査証を受けた特定機械等は、検査証とともにするのでなければ、譲渡し、又は貸与してはならない。
検査証の有効期間(次項の規定により検査証の有効期間が更新されたときにあつては、当該更新された検査証の有効期間)は、特定機械等の種類に応じて、厚生労働省令で定める期間とする。
2 検査証の有効期間の更新を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、当該特定機械等及びこれに係る厚生労働省令で定める事項について、厚生労働大臣の登録を受けた者(以下「登録性能検査機関」という。)が行う性能検査を受けなければならない。
特定機械等以外の機械等で、別表第二に掲げるものその他危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障 害を防止するため使用するもののうち、政令で定めるものは、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはなら ない。
動力により駆動される機械等で、作動部分上の突起物又は動力伝導部分若しくは調速部分に厚生労働省令で定める防護のための措置が施されていないものは、譲渡し、貸与し、又は譲渡若しくは貸与の目的で展示してはならない。
厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、第四十二条の機械等を製造し、又は輸入した者が、当該機械等で、次の各号のいずれかに該当するものを譲渡し、又は貸 与した場合には、その者に対し、当該機械等の回収又は改善を図ること、当該機械等を使用している者へ厚生労働省令で定める事項を通知することその他当該機 械等が使用されることによる労働災害を防止するため必要な措置を講ずることを命ずることができる。
一 次条第五項の規定に違反して、同条第四項の表示が付され、又はこれと紛らわしい表示が付された機械等
二 第四十四条の二第三項に規定する型式検定に合格した型式の機械等で、第四十二条の厚生労働大臣が定める規格又は安全装置(第四号において「規格等」という。)を具備していないもの
三 第四十四条の二第六項の規定に違反して、同条第五項の表示が付され、又はこれと紛らわしい表示が付された機械等
四 第四十四条の二第一項の機械等以外の機械等で、規格等を具備していないもの
第四十二条の機械等(次条第一項に規定する機械等を除く。)のうち、別表第三に掲げる機械等で政令で定めるものを製造し、又は輸入した者は、厚生労働省令 で定めるところにより、厚生労働大臣の登録を受けた者(以下「登録個別検定機関」という。)が個々に行う当該機械等についての検定を受けなければならな い。
2 前項の規定にかかわらず、同項の機械等を輸入した者が当該機械等を外国において製造した者(以下この項において「外国製造者」という。)以外の者(以下こ の項において単に「他の者」という。)である場合において、当該外国製造者が当該他の者について前項の検定が行われることを希望しないときは、当該外国製 造者は、厚生労働省令で定めるところにより、自ら登録個別検定機関が個々に行う当該機械等についての検定を受けることができる。
3 登録個別検定機関は、前二項の検定(以下「個別検定」という。)を受けようとする者から申請があつた場合には、当該申請に係る機械等が厚生労働省令で定める基準に適合していると認めるときでなければ、当該機械等を個別検定に合格させてはならない。
4 個別検定を受けた者は、当該個別検定に合格した機械等に、厚生労働省令で定めるところにより、当該個別検定に合格した旨の表示を付さなければならない。
5 個別検定に合格した機械等以外の機械等には、前項の表示を付し、又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。
6 第一項の機械等で、第四項の表示が付されていないものは、使用してはならない。
第四十二条の機械等のうち、別表第四に掲げる機械等で政令で定めるものを製造し、又は輸入した者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣の登録を受けた者(以下「登録型式検定機関」という。)が行う当該機械等の型式についての検定を受けなければならない。
2 前項に定めるもののほか、次に掲げる場合には、外国において同項本文の機械等を製造した者(以下この項及び第四十四条の四において「外国製造者」とい う。)は、厚生労働省令で定めるところにより、当該機械等の型式について、自ら登録型式検定機関が行う検定を受けることができる。
一 当該機械等を本邦に輸出しようとするとき。
二 当該機械等を輸入した者が外国製造者以外の者(以下この号において単に「他の者」という。)である場合において、当該外国製造者が当該他の者について前項の検定が行われることを希望しないとき。
3 登録型式検定機関は、前二項の検定(以下「型式検定」という。)を受けようとする者から申請があつた場合には、当該申請に係る型式の機械等の構造並びに当 該機械等を製造し、及び検査する設備等が厚生労働省令で定める基準に適合していると認めるときでなければ、当該型式を型式検定に合格させてはならない。
4 登録型式検定機関は、型式検定に合格した型式について、型式検定合格証を申請者に交付する。
5 型式検定を受けた者は、当該型式検定に合格した型式の機械等を本邦において製造し、又は本邦に輸入したときは、当該機械等に、厚生労働省令で定めるところにより、型式検定に合格した型式の機械等である旨の表示を付さなければならない。
6 型式検定に合格した型式の機械等以外の機械等には、前項の表示を付し、又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。
7 第一項本文の機械等で、第五項の表示が付されていないものは、使用してはならない。
型式検定合格証の有効期間(次項の規定により型式検定合格証の有効期間が更新されたときにあつては、当該更新された型式検定合格証の有効期間)は、前条第一項本文の機械等の種類に応じて、厚生労働省令で定める期間とする。
2 型式検定合格証の有効期間の更新を受けようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、型式検定を受けなければならない。
厚生労働大臣は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該各号の機械等に係る型式検定合格証(第二号にあつては、当該外国製造者が受けた型式検定合格証)の効力を失わせることができる。
一 型式検定に合格した型式の機械等の構造又は当該機械等を製造し、若しくは検査する設備等が第四十四条の二第三項の厚生労働省令で定める基準に適合していないと認められるとき。
二 型式検定を受けた外国製造者が、当該型式検定に合格した型式の機械等以外の機械等で本邦に輸入されたものに、第四十四条の二第五項の表示を付し、又はこれと紛らわしい表示を付しているとき。
三 厚生労働大臣が型式検定に合格した型式の機械等の構造並びに当該機械等を製造し、及び検査する設備等に関し労働者の安全と健康を確保するため必要があると 認めてその職員をして当該型式検定を受けた外国製造者の事業場又は当該型式検定に係る機械等若しくは設備等の所在すると認める場所において、関係者に質問 をさせ、又は当該機械等若しくは設備等その他の物件についての検査をさせようとした場合において、その質問に対して陳述がされず、若しくは虚偽の陳述がさ れ、又はその検査が拒まれ、妨げられ、若しくは忌避されたとき。
事業者は、ボイラーその他の機械等で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、定期に自主検査を行ない、及びその結果を記録しておかなければならない。
2 事業者は、前項の機械等で政令で定めるものについて同項の規定による自主検査のうち厚生労働省令で定める自主検査(以下「特定自主検査」という。)を行う ときは、その使用する労働者で厚生労働省令で定める資格を有するもの又は第五十四条の三第一項に規定する登録を受け、他人の求めに応じて当該機械等につい て特定自主検査を行う者(以下「検査業者」という。)に実施させなければならない。
3 厚生労働大臣は、第一項の規定による自主検査の適切かつ有効な実施を図るため必要な自主検査指針を公表するものとする。
4 厚生労働大臣は、前項の自主検査指針を公表した場合において必要があると認めるときは、事業者若しくは検査業者又はこれらの団体に対し、当該自主検査指針に関し必要な指導等を行うことができる。
第三十八条第一項の規定による登録(以下この条、次条、第五十三条第一項及び第二項並びに第五十三条の二第一項において「登録」という。)は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省令で定める区分ごとに、製造時等検査を行おうとする者の申請により行う。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、登録を受けることができない。
一 この法律又はこれに基づく命令の規定に違反して、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
二 第五十三条第一項又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
三 法人で、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの
3 厚生労働大臣は、第一項の規定により登録を申請した者(以下この項において「登録申請者」という。)が次に掲げる要件の全てに適合しているときは、登録をしなければならない。
一 別表第五に掲げる機械器具その他の設備を用いて製造時等検査を行うものであること。
二 製造時等検査を実施する者(別表第六第一号に掲げる条件のいずれかに適合する知識経験を有する者に限る。以下「検査員」という。)が同表第二号に掲げる数以上であること。
三 検査員であつて別表第七に掲げる条件のいずれかに適合する知識経験を有する者が検査員を指揮するとともに製造時等検査の業務を管理するものであること。
四 登録申請者が、特別特定機械等を製造し、又は輸入する者(以下この号において「製造者等」という。)に支配されているものとして次のいずれかに該当するものでないこと。
4 登録は、登録製造時等検査機関登録簿に次に掲げる事項を記載してするものとする。
一 登録年月日及び登録番号
二 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
三 事務所の名称及び所在地
四 第一項の区分
登録は、五年以上十年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
2 前条第二項から第四項までの規定は、前項の登録の更新について準用する。
登録製造時等検査機関は、製造時等検査を行うべきことを求められたときは、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、製造時等検査を行わなければならない。
2 登録製造時等検査機関は、製造時等検査を行うときは、検査員にこれを実施させなければならない。
3 登録製造時等検査機関は、公正に、かつ、第三十七条第二項の基準のうち特別特定機械等の構造に係るものに適合する方法により製造時等検査を行わなければならない。
4 登録製造時等検査機関は、製造時等検査を行うときは、製造時等検査の検査方法から生ずる危険を防止するために必要な措置として厚生労働省令で定める措置を講じなければならない。
登録製造時等検査機関は、第四十六条第四項第二号又は第三号の事項を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、厚生労働大臣に届け出なければならない。
登録製造時等検査機関は、製造時等検査の業務に関する規程(以下「業務規程」という。)を定め、製造時等検査の業務の開始の日の二週間前までに、厚生労働大臣に届け出なければならない。
2 業務規程には、製造時等検査の実施方法、製造時等検査に関する料金その他の厚生労働省令で定める事項を定めておかなければならない。
登録製造時等検査機関は、製造時等検査の業務の全部又は一部を休止し、又は廃止しようとするときは、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
登録製造時等検査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、その事業年度の財産目録、貸借対照表及び損益計算書又は収支決算書並びに事業報告書(その作成に代 えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他の人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に 供されるものをいう。以下同じ。)の作成がされている場合における当該電磁的記録を含む。次項及び第百二十三条第一号において「財務諸表等」という。)を 作成し、五年間事務所に備えて置かなければならない。
2 製造時等検査を受けようとする者その他の利害関係人は、登録製造時等検査機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
一 財務諸表等が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の請求
三 財務諸表等が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を厚生労働省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
3 製造時等検査を受けようとする者その他の利害関係人は、登録製造時等検査機関が製造時等検査に関し生じた損害を賠償するために必要な金額を担保することが できる保険契約(以下この項において「損害保険契約」という。)を締結しているときは、登録製造時等検査機関の業務時間内は、いつでも、次に掲げる請求を することができる。
一 損害保険契約の契約内容を記載した書類が書面をもつて作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 前号の書面の謄本又は抄本の請求
三 第一号の書類が電磁的記録をもつて作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を厚生労働省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
四 前号の電磁的記録に記録された事項を電磁的方法であつて厚生労働省令で定めるものにより提供することの請求又は当該事項を記載した書面の交付の請求
4 登録製造時等検査機関は、毎事業年度経過後三月以内に、第一項の規定により作成した損益計算書又は収支決算書及び事業報告書を厚生労働大臣に提出しなければならない。
登録製造時等検査機関は、検査員を選任し、又は解任したときは、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
厚生労働大臣は、登録製造時等検査機関(外国にある事務所において製造時等検査の業務を行う登録製造時等検査機関(以下「外国登録製造時等検査機関」とい う。)を除く。)が第四十六条第三項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、その登録製造時等検査機関に対し、これらの規定に適合するため必要 な措置をとるべきことを命ずることができる。
厚生労働大臣は、登録製造時等検査機関(外国登録製造時等検査機関を除く。)が第四十七条の規定に違反していると認めるときは、その登録製造時等検査機関 に対し、製造時等検査を行うべきこと又は製造時等検査の方法その他の業務の方法の改善に関し必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
前二条の規定は、外国登録製造時等検査機関について準用する。
厚生労働大臣は、登録製造時等検査機関(外国登録製造時等検査機関を除く。)が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その登録を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて製造時等検査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第四十六条第二項第一号又は第三号に該当するに至つたとき。
二 第四十七条から第四十九条まで、第五十条第一項若しくは第四項又は第百三条第二項の規定に違反したとき。
三 正当な理由がないのに第五十条第二項各号又は第三項各号の規定による請求を拒んだとき。
四 第五十一条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
五 第五十二条及び第五十二条の二の規定による命令に違反したとき。
六 不正の手段により登録を受けたとき。
2 厚生労働大臣は、外国登録製造時等検査機関が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その登録を取り消すことができる。
一 前項第一号から第四号まで又は第六号のいずれかに該当するとき。
二 前条において読み替えて準用する第五十二条又は第五十二条の二の規定による請求に応じなかつたとき。
三 厚生労働大臣が、外国登録製造時等検査機関が前二号のいずれかに該当すると認めて、六月を超えない範囲内で期間を定めて製造時等検査の業務の全部又は一部の停止を請求した場合において、その請求に応じなかつたとき。
四 厚生労働大臣が、外国登録製造時等検査機関の業務の適正な運営を確保するため必要があると認めて、その職員をして外国登録製造時等検査機関の事務所に立ち 入らせ、関係者に質問させ、又はその業務に関係のある帳簿、書類その他の物件を検査させようとした場合において、その立入り若しくは検査が拒まれ、妨げら れ、若しくは忌避され、又は質問に対して陳述がされず、若しくは虚偽の陳述がされたとき。
五 厚生労働大臣が、この法律を施行するため必要があると認めて、外国登録製造時等検査機関に対し、必要な事項の報告を求めた場合において、その報告がされず、又は虚偽の報告がされたとき。
六 次項の規定による費用の負担をしないとき。
3 前項第四号の検査に要する費用(政令で定めるものに限る。)は、当該検査を受ける外国登録製造時等検査機関の負担とする。
都道府県労働局長は、登録を受ける者がいないとき、第四十九条の規定による製造時等検査の業務の全部又は一部の休止又は廃止の届出があつたとき、前条第一 項若しくは第二項の規定により登録を取り消し、又は登録製造時等検査機関に対し製造時等検査の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、登録製造時等検 査機関が天災その他の事由により製造時等検査の業務の全部又は一部を実施することが困難となつたときその他必要があると認めるときは、当該製造時等検査の 業務の全部又は一部を自ら行うことができる。
2 都道府県労働局長が前項の規定により製造時等検査の業務の全部又は一部を自ら行う場合における製造時等検査の業務の引継ぎその他の必要な事項については、厚生労働省令で定める。
第四十六条及び第四十六条の二の規定は第四十一条第二項の登録について、第四十七条から前条までの規定は登録性能検査機関について準用する。
第四十六条及び第四十六条の二の規定は第四十四条第一項の登録について、第四十七条から第五十三条の二までの規定は登録個別検定機関について準用する。
第四十六条及び第四十六条の二の規定は第四十四条の二第一項の登録について、第四十七条から第五十三条の二までの規定は登録型式検定機関について準用する。
検査業者になろうとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省又は都道府県労働局に備える検査業者名簿に、氏名又は名称、住所その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければならない。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、前項の登録を受けることができない。
一 第四十五条第一項若しくは第二項の規定若しくはこれらの規定に基づく命令に違反し、又は第五十四条の六第二項の規定による命令に違反して、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
二 第五十四条の六第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
三 法人で、その業務を行う役員のうちに第一号に該当する者があるもの
3 第一項の登録は、検査業者になろうとする者の申請により行う。
4 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、前項の申請が厚生労働省令で定める基準に適合していると認めるときでなければ、第一項の登録をしてはならない。
5 事業者その他の関係者は、検査業者名簿の閲覧を求めることができる。
検査業者は、他人の求めに応じて特定自主検査を行うときは、厚生労働省令で定める資格を有する者にこれを実施させなければならない。
検査業者がその事業の全部を譲り渡し、又は検査業者について相続、合併若しくは分割(その事業の全部を承継させるものに限る。)があつたときは、その事業 の全部を譲り受けた者又は相続人(相続人が二人以上ある場合において、その全員の同意により事業を承継すべき相続人を選定したときは、その者。以下この項 において同じ。)、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人若しくは分割によりその事業の全部を承継した法人は、その検査業者の地位を承継す る。
2 前項の規定により検査業者の地位を承継した者は、厚生労働省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣又は都道府県労働局長に届け出なければならない。
厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、検査業者が第五十四条の三第二項第一号又は第三号に該当するに至つたときは、その登録を取り消さなければならない。
2 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、検査業者が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その登録を取り消し、又は六月を超えない範囲内で期間を定めて特定自主検査の業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第五十四条の三第四項の基準に適合しなくなつたと認められるとき。
二 第五十四条の四の規定に違反したとき。
三 第百十条第一項の条件に違反したとき。
黄りんマツチ、ベンジジン、ベンジジンを含有する製剤その他の労働者に重度の健康障害を生ずる物で、政令で定めるものは、製造し、輸入し、譲渡し、提供し、又は使用してはならない。
ジクロルベンジジン、ジクロルベンジジンを含有する製剤その他の労働者に重度の健康障害を生ずるおそれのある物で、政令で定めるものを製造しようとする者は、厚生労働省令で定めるところにより、あらかじめ、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。
2 厚生労働大臣は、前項の許可の申請があつた場合には、その申請を審査し、製造設備、作業方法等が厚生労働大臣の定める基準に適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
3 第一項の許可を受けた者(以下「製造者」という。)は、その製造設備を、前項の基準に適合するように維持しなければならない。
4 製造者は、第二項の基準に適合する作業方法に従つて第一項の物を製造しなければならない。
5 厚生労働大臣は、製造者の製造設備又は作業方法が第二項の基準に適合していないと認めるときは、当該基準に適合するように製造設備を修理し、改造し、若しくは移転し、又は当該基準に適合する作業方法に従つて第一項の物を製造すべきことを命ずることができる。
6 厚生労働大臣は、製造者がこの法律若しくはこれに基づく命令の規定又はこれらの規定に基づく処分に違反したときは、第一項の許可を取り消すことができる。
爆発性の物、発火性の物、引火性の物その他の労働者に危険を生ずるおそれのある物若しくはベンゼン、ベンゼンを含有する製剤その他の労働者に健康障害を生 ずるおそれのある物で政令で定めるもの又は前条第一項の物を容器に入れ、又は包装して、譲渡し、又は提供する者は、厚生労働省令で定めるところにより、そ の容器又は包装(容器に入れ、かつ、包装して、譲渡し、又は提供するときにあつては、その容器)に次に掲げるものを表示しなければならない。
一 次に掲げる事項
二 当該物を取り扱う労働者に注意を喚起するための標章で厚生労働大臣が定めるもの
2 前項の政令で定める物又は前条第一項の物を前項に規定する方法以外の方法により譲渡し、又は提供する者は、厚生労働省令で定めるところにより、同項各号の事項を記載した文書を、譲渡し、又は提供する相手方に交付しなければならない。
労働者に危険若しくは健康障害を生ずるおそれのある物で政令で定めるもの又は第五十六条第一項の物(以下この条及び次条第一項において「通知対象物」とい う。)を譲渡し、又は提供する者は、文書の交付その他厚生労働省令で定める方法により通知対象物に関する次の事項(前条第二項に規定する者にあつては、同 項に規定する事項を除く。)を、譲渡し、又は提供する相手方に通知しなければならない。
一 名称
二 成分及びその含有量
三 物理的及び化学的性質
四 人体に及ぼす作用
五 貯蔵又は取扱い上の注意
六 流出その他の事故が発生した場合において講ずべき応急の措置
七 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
2 通知対象物を譲渡し、又は提供する者は、前項の規定により通知した事項に変更を行う必要が生じたときは、文書の交付その他厚生労働省令で定める方法により、変更後の同項各号の事項を、速やかに、譲渡し、又は提供した相手方に通知するよう努めなければならない。
3 前二項に定めるもののほか、前二項の通知に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。
事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、第五十七条第一項の政令で定める物及び通知対象物による危険性又は有害性等を調査しなければならない。
2 事業者は、前項の調査の結果に基づいて、この法律又はこれに基づく命令の規定による措置を講ずるほか、労働者の危険又は健康障害を防止するため必要な措置を講ずるように努めなければならない。
3 厚生労働大臣は、第二十八条第一項及び第三項に定めるもののほか、前二項の措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。
4 厚生労働大臣は、前項の指針に従い、事業者又はその団体に対し、必要な指導、援助等を行うことができる。
化学物質による労働者の健康障害を防止するため、既存の化学物質として政令で定める化学物質(第三項の規定によりその名称が公表された化学物質を含む。) 以外の化学物質(以下この条において「新規化学物質」という。)を製造し、又は輸入しようとする事業者は、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところによ り、厚生労働大臣の定める基準に従つて有害性の調査(当該新規化学物質が労働者の健康に与える影響についての調査をいう。以下この条において同じ。)を行 い、当該新規化学物質の名称、有害性の調査の結果その他の事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。
一 当該新規化学物質に関し、厚生労働省令で定めるところにより、当該新規化学物質について予定されている製造又は取扱いの方法等からみて労働者が当該新規化学物質にさらされるおそれがない旨の厚生労働大臣の確認を受けたとき。
二 当該新規化学物質に関し、厚生労働省令で定めるところにより、既に得られている知見等に基づき厚生労働省令で定める有害性がない旨の厚生労働大臣の確認を受けたとき。
三 当該新規化学物質を試験研究のため製造し、又は輸入しようとするとき。
四 当該新規化学物質が主として一般消費者の生活の用に供される製品(当該新規化学物質を含有する製品を含む。)として輸入される場合で、厚生労働省令で定めるとき。
2 有害性の調査を行つた事業者は、その結果に基づいて、当該新規化学物質による労働者の健康障害を防止するため必要な措置を速やかに講じなければならない。
3 厚生労働大臣は、第一項の規定による届出があつた場合(同項第二号の規定による確認をした場合を含む。)には、厚生労働省令で定めるところにより、当該新規化学物質の名称を公表するものとする。
4 厚生労働大臣は、第一項の規定による届出があつた場合には、厚生労働省令で定めるところにより、有害性の調査の結果について学識経験者の意見を聴き、当該 届出に係る化学物質による労働者の健康障害を防止するため必要があると認めるときは、届出をした事業者に対し、施設又は設備の設置又は整備、保護具の備付 けその他の措置を講ずべきことを勧告することができる。
5 前項の規定により有害性の調査の結果について意見を求められた学識経験者は、当該有害性の調査の結果に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
厚生労働大臣は、化学物質で、がんその他の重度の健康障害を労働者に生ずるおそれのあるものについて、当該化学物質による労働者の健康障害を防止するため 必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該化学物質を製造し、輸入し、又は使用している事業者その他厚生労働省令で定める事業者 に対し、政令で定める有害性の調査(当該化学物質が労働者の健康障害に及ぼす影響についての調査をいう。)を行い、その結果を報告すべきことを指示するこ とができる。
2 前項の規定による指示は、化学物質についての有害性の調査に関する技術水準、調査を実施する機関の整備状況、当該事業者の調査の能力等を総合的に考慮し、厚生労働大臣の定める基準に従つて行うものとする。
3 厚生労働大臣は、第一項の規定による指示を行おうとするときは、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、学識経験者の意見を聴かなければならない。
4 第一項の規定による有害性の調査を行つた事業者は、その結果に基づいて、当該化学物質による労働者の健康障害を防止するため必要な措置を速やかに講じなければならない。
5 第三項の規定により第一項の規定による指示について意見を求められた学識経験者は、当該指示に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
国は、前二条の規定による有害性の調査の適切な実施に資するため、化学物質について、有害性の調査を実施する施設の整備、資料の提供その他必要な援助に努めるほか、自ら有害性の調査を実施するよう努めるものとする。
事業者は、労働者を雇い入れたときは、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。
2 前項の規定は、労働者の作業内容を変更したときについて準用する。
3 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。
事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくこととなつた職長その他の作業中の労働者を直接指導又は監督する者(作 業主任者を除く。)に対し、次の事項について、厚生労働省令で定めるところにより、安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。
一 作業方法の決定及び労働者の配置に関すること。
二 労働者に対する指導又は監督の方法に関すること。
三 前二号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な事項で、厚生労働省令で定めるもの
事業者は、前二条に定めるもののほか、その事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならない。
2 厚生労働大臣は、前項の教育の適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。
3 厚生労働大臣は、前項の指針に従い、事業者又はその団体に対し、必要な指導等を行うことができる。
事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受 けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。
2 前項の規定により当該業務につくことができる者以外の者は、当該業務を行なつてはならない。
3 第一項の規定により当該業務につくことができる者は、当該業務に従事するときは、これに係る免許証その他その資格を証する書面を携帯していなければならない。
4 職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第二十四条第一項(同法第二十七条の二第二項において準用する場合を含む。)の認定に係る職業訓練を受 ける労働者について必要がある場合においては、その必要の限度で、前三項の規定について、厚生労働省令で別段の定めをすることができる。
事業者は、中高年齢者その他労働災害の防止上その就業に当たつて特に配慮を必要とする者については、これらの者の心身の条件に応じて適正な配置を行なうように努めなければならない。
国は、事業者が行なう安全又は衛生のための教育の効果的実施を図るため、指導員の養成及び資質の向上のための措置、教育指導方法の整備及び普及、教育資料の提供その他必要な施策の充実に努めるものとする。
削除
事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の作業場で、政令で定めるものについて、厚生労働省令で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。
2 前項の規定による作業環境測定は、厚生労働大臣の定める作業環境測定基準に従つて行わなければならない。
3 厚生労働大臣は、第一項の規定による作業環境測定の適切かつ有効な実施を図るため必要な作業環境測定指針を公表するものとする。
4 厚生労働大臣は、前項の作業環境測定指針を公表した場合において必要があると認めるときは、事業者若しくは作業環境測定機関又はこれらの団体に対し、当該作業環境測定指針に関し必要な指導等を行うことができる。
5 都道府県労働局長は、作業環境の改善により労働者の健康を保持する必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、作業環境測定の実施その他必要な事項を指示することができる。
事業者は、前条第一項又は第五項の規定による作業環境測定の結果の評価に基づいて、労働者の健康を保持するため必要があると認められるときは、厚生労働省令で定めるところにより、施設又は設備の設置又は整備、健康診断の実施その他の適切な措置を講じなければならない。
2 事業者は、前項の評価を行うに当たつては、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣の定める作業環境評価基準に従つて行わなければならない。
3 事業者は、前項の規定による作業環境測定の結果の評価を行つたときは、厚生労働省令で定めるところにより、その結果を記録しておかなければならない。
事業者は、労働者の健康に配慮して、労働者の従事する作業を適切に管理するように努めなければならない。
事業者は、潜水業務その他の健康障害を生ずるおそれのある業務で、厚生労働省令で定めるものに従事させる労働者については、厚生労働省令で定める作業時間についての基準に違反して、当該業務に従事させてはならない。
事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断(第六十六条の十第一項に規定する検査を除く。以下この条及び次条において同じ。)を行わなければならない。
2 事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による特別の項目についての健康診断を行なわなければならない。
3 事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、歯科医師による健康診断を行なわなければならない。
4 都道府県労働局長は、労働者の健康を保持するため必要があると認めるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、臨時の健康診断の実施その他必要な事項を指示することができる。
5 労働者は、前各項の規定により事業者が行なう健康診断を受けなければならない。
午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間におけ る業務(以下「深夜業」という。)に従事する労働者であつて、その深夜業の回数その他の事項が深夜業に従事する労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令 で定める要件に該当するものは、厚生労働省令で定めるところにより、自ら受けた健康診断(前条第五項ただし書の規定による健康診断を除く。)の結果を証明 する書面を事業者に提出することができる。
事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、第六十六条第一項から第四項まで及び第五項ただし書並びに前条の規定による健康診断の結果を記録しておかなければならない。
事業者は、第六十六条第一項から第四項まで若しくは第五項ただし書又は第六十六条の二の規定による健康診断の結果(当該健康診断の項目に異常の所見がある と診断された労働者に係るものに限る。)に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師又は歯 科医師の意見を聴かなければならない。
事業者は、前条の規定による医師又は歯科医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、 労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、作業環境測定の実施、施設又は設備の設置又は整備、当該医師又は歯科医師の意見の衛生委員会若 しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会(労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(平成四年法律第九十号)第七条第一項に規定する労働時間 等設定改善委員会をいう。以下同じ。)への報告その他の適切な措置を講じなければならない。
2 厚生労働大臣は、前項の規定により事業者が講ずべき措置の適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。
3 厚生労働大臣は、前項の指針を公表した場合において必要があると認めるときは、事業者又はその団体に対し、当該指針に関し必要な指導等を行うことができる。
事業者は、第六十六条第一項から第四項までの規定により行う健康診断を受けた労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該健康診断の結果を通知しなければならない。
事業者は、第六十六条第一項の規定による健康診断若しくは当該健康診断に係る同条第五項ただし書の規定による健康診断又は第六十六条の二の規定による健康 診断の結果、特に健康の保持に努める必要があると認める労働者に対し、医師又は保健師による保健指導を行うように努めなければならない。
2 労働者は、前条の規定により通知された健康診断の結果及び前項の規定による保健指導を利用して、その健康の保持に努めるものとする。
事業者は、その労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところ により、医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう。以下同じ。)を行わなけれ ばならない。
2 労働者は、前項の規定により事業者が行う面接指導を受けなければならない。
3 事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、第一項及び前項ただし書の規定による面接指導の結果を記録しておかなければならない。
4 事業者は、第一項又は第二項ただし書の規定による面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならない。
5 事業者は、前項の規定による医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短 縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措 置を講じなければならない。
事業者は、前条第一項の規定により面接指導を行う労働者以外の労働者であつて健康への配慮が必要なものについては、厚生労働省令で定めるところにより、必要な措置を講ずるように努めなければならない。
事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者(以下この条において「医師等」という。)による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない。
2 事業者は、前項の規定により行う検査を受けた労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、当該検査を行つた医師等から当該検査の結果が通知されるようにしなければならない。
3 事業者は、前項の規定による通知を受けた労働者であつて、心理的な負担の程度が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当するものが医 師による面接指導を受けることを希望する旨を申し出たときは、当該申出をした労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導を行わ なければならない。
4 事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の規定による面接指導の結果を記録しておかなければならない。
5 事業者は、第三項の規定による面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならない。
6 事業者は、前項の規定による医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短 縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措 置を講じなければならない。
7 厚生労働大臣は、前項の規定により事業者が講ずべき措置の適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。
8 厚生労働大臣は、前項の指針を公表した場合において必要があると認めるときは、事業者又はその団体に対し、当該指針に関し必要な指導等を行うことができる。
9 国は、心理的な負担の程度が労働者の健康の保持に及ぼす影響に関する医師等に対する研修を実施するよう努めるとともに、第二項の規定により通知された検査 の結果を利用する労働者に対する健康相談の実施その他の当該労働者の健康の保持増進を図ることを促進するための措置を講ずるよう努めるものとする。
都道府県労働局長は、がんその他の重度の健康障害を生ずるおそれのある業務で、政令で定めるものに従事していた者のうち、厚生労働省令で定める要件に該当する者に対し、離職の際に又は離職の後に、当該業務に係る健康管理手帳を交付するものとする。
2 政府は、健康管理手帳を所持している者に対する健康診断に関し、厚生労働省令で定めるところにより、必要な措置を行なう。
3 健康管理手帳の交付を受けた者は、当該健康管理手帳を他人に譲渡し、又は貸与してはならない。
4 健康管理手帳の様式その他健康管理手帳について必要な事項は、厚生労働省令で定める。
事業者は、伝染性の疾病その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかつた労働者については、厚生労働省令で定めるところにより、その就業を禁止しなければならない。
事業者は、労働者の受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう。第七十一条第一項において同じ。)を防止するため、当該事業者及び事業場の実情に応じ適切な措置を講ずるよう努めるものとする。
事業者は、労働者に対する健康教育及び健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置を継続的かつ計画的に講ずるように努めなければならない。
2 労働者は、前項の事業者が講ずる措置を利用して、その健康の保持増進に努めるものとする。
事業者は、前条第一項に定めるもののほか、労働者の健康の保持増進を図るため、体育活動、レクリエーションその他の活動についての便宜を供与する等必要な措置を講ずるように努めなければならない。
厚生労働大臣は、第六十九条第一項の事業者が講ずべき健康の保持増進のための措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。
2 厚生労働大臣は、前項の指針に従い、事業者又はその団体に対し、必要な指導等を行うことができる。
第六十六条第一項の厚生労働省令、第六十六条の五第二項の指針、第六十六条の六の厚生労働省令及び前条第一項の指針は、健康増進法(平成十四年法律第百三号)第九条第一項に規定する健康診査等指針と調和が保たれたものでなければならない。
国は、労働者の健康の保持増進に関する措置の適切かつ有効な実施を図るため、必要な資料の提供、作業環境測定及び健康診断の実施の促進、受動喫煙の防止の ための設備の設置の促進、事業場における健康教育等に関する指導員の確保及び資質の向上の促進その他の必要な援助に努めるものとする。
2 国は、前項の援助を行うに当たつては、中小企業者に対し、特別の配慮をするものとする。
事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、次の措置を継続的かつ計画的に講ずることにより、快適な職場環境を形成するように努めなければならない。
一 作業環境を快適な状態に維持管理するための措置
二 労働者の従事する作業について、その方法を改善するための措置
三 作業に従事することによる労働者の疲労を回復するための施設又は設備の設置又は整備
四 前三号に掲げるもののほか、快適な職場環境を形成するため必要な措置
厚生労働大臣は、前条の事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。
2 厚生労働大臣は、前項の指針に従い、事業者又はその団体に対し、必要な指導等を行うことができる。
国は、事業者が講ずる快適な職場環境を形成するための措置の適切かつ有効な実施に資するため、金融上の措置、技術上の助言、資料の提供その他の必要な援助に努めるものとする。
第十二条第一項、第十四条又は第六十一条第一項の免許(以下「免許」という。)は、第七十五条第一項の免許試験に合格した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者に対し、免許証を交付して行う。
2 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えない。
一 第七十四条第二項(第三号を除く。)の規定により免許を取り消され、その取消しの日から起算して一年を経過しない者
二 前号に掲げる者のほか、免許の種類に応じて、厚生労働省令で定める者
3 第六十一条第一項の免許については、心身の障害により当該免許に係る業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるものには、同項の免許を与えないことがある。
4 都道府県労働局長は、前項の規定により第六十一条第一項の免許を与えないこととするときは、あらかじめ、当該免許を申請した者にその旨を通知し、その求めがあつたときは、都道府県労働局長の指定する職員にその意見を聴取させなければならない。
免許には、有効期間を設けることができる。
2 都道府県労働局長は、免許の有効期間の更新の申請があつた場合には、当該免許を受けた者が厚生労働省令で定める要件に該当するときでなければ、当該免許の有効期間を更新してはならない。
都道府県労働局長は、免許を受けた者が第七十二条第二項第二号に該当するに至つたときは、その免許を取り消さなければならない。
2 都道府県労働局長は、免許を受けた者が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その免許を取り消し、又は期間(第一号、第二号、第四号又は第五号に該当する場合にあつては、六月を超えない範囲内の期間)を定めてその免許の効力を停止することができる。
一 故意又は重大な過失により、当該免許に係る業務について重大な事故を発生させたとき。
二 当該免許に係る業務について、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反したとき。
三 当該免許が第六十一条第一項の免許である場合にあつては、第七十二条第三項に規定する厚生労働省令で定める者となつたとき。
四 第百十条第一項の条件に違反したとき。
五 前各号に掲げる場合のほか、免許の種類に応じて、厚生労働省令で定めるとき。
3 前項第三号に該当し、同項の規定により免許を取り消された者であつても、その者がその取消しの理由となつた事項に該当しなくなつたとき、その他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至つたときは、再免許を与えることができる。
前三条に定めるもののほか、免許証の交付の手続その他免許に関して必要な事項は、厚生労働省令で定める。
免許試験は、厚生労働省令で定める区分ごとに、都道府県労働局長が行う。
2 前項の免許試験(以下「免許試験」という。)は、学科試験及び実技試験又はこれらのいずれかによつて行う。
3 都道府県労働局長は、厚生労働省令で定めるところにより、都道府県労働局長の登録を受けた者が行う教習を修了した者でその修了した日から起算して一年を経 過しないものその他厚生労働省令で定める資格を有する者に対し、前項の学科試験又は実技試験の全部又は一部を免除することができる。
4 前項の教習(以下「教習」という。)は、別表第十七に掲げる区分ごとに行う。
5 免許試験の受験資格、試験科目及び受験手続並びに教習の受講手続その他免許試験の実施について必要な事項は、厚生労働省令で定める。
厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣の指定する者(以下「指定試験機関」という。)に前条第一項の規定により都道府県労働局長が行う免許試験の実施に関する事務(以下「試験事務」という。)の全部又は一部を行わせることができる。
2 前項の規定による指定(以下第七十五条の十二までにおいて「指定」という。)は、試験事務を行おうとする者の申請により行う。
3 都道府県労働局長は、第一項の規定により指定試験機関が試験事務の全部又は一部を行うこととされたときは、当該試験事務の全部又は一部を行わないものとする。
厚生労働大臣は、他に指定を受けた者がなく、かつ、前条第二項の申請が次の各号に適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならない。
一 職員、設備、試験事務の実施の方法その他の事項についての試験事務の実施に関する計画が、試験事務の適正かつ確実な実施に適合したものであること。
二 経理的及び技術的な基礎が、前号の試験事務の実施に関する計画の適正かつ確実な実施に足るものであること。
2 厚生労働大臣は、前条第二項の申請が次の各号のいずれかに該当するときは、指定をしてはならない。
一 申請者が、一般社団法人又は一般財団法人以外の者であること。
二 申請者が行う試験事務以外の業務により申請者が試験事務を公正に実施することができないおそれがあること。
三 申請者がこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反して、刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者であること。
四 申請者が第七十五条の十一第一項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者であること。
五 申請者の役員のうちに、第三号に該当する者があること。
六 申請者の役員のうちに、次条第二項の規定による命令により解任され、その解任の日から起算して二年を経過しない者があること。
試験事務に従事する指定試験機関の役員の選任及び解任は、厚生労働大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 厚生労働大臣は、指定試験機関の役員が、この法律(これに基づく命令又は処分を含む。)若しくは第七十五条の六第一項に規定する試験事務規程に違反する行 為をしたとき、又は試験事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定試験機関に対し、当該役員を解任すべきことを命ずることができる。
指定試験機関は、試験事務を行う場合において、免許を受ける者として必要な知識及び能力を有するかどうかの判定に関する事務については、免許試験員に行わせなければならない。
2 指定試験機関は、免許試験員を選任しようとするときは、厚生労働省令で定める要件を備える者のうちから選任しなければならない。
3 指定試験機関は、免許試験員を選任したときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣にその旨を届け出なければならない。
4 厚生労働大臣は、免許試験員が、この法律(これに基づく命令又は処分を含む。)若しくは次条第一項に規定する試験事務規程に違反する行為をしたとき、又は試験事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、指定試験機関に対し、当該免許試験員の解任を命ずることができる。
指定試験機関は、試験事務の開始前に、試験事務の実施に関する規程(以下この条及び第七十五条の十一第二項第四号において「試験事務規程」という。)を定め、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
2 試験事務規程で定めるべき事項は、厚生労働省令で定める。
3 厚生労働大臣は、第一項の認可をした試験事務規程が試験事務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、指定試験機関に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。
指定試験機関は、毎事業年度、事業計画及び収支予算を作成し、当該事業年度の開始前に(指定を受けた日の属する事業年度にあつては、その指定を受けた後遅滞なく)、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
2 指定試験機関は、毎事業年度の経過後三月以内に、その事業年度の事業報告書及び収支決算書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。
指定試験機関の役員若しくは職員(免許試験員を含む。)又はこれらの職にあつた者は、試験事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
2 試験事務に従事する指定試験機関の役員及び職員(免許試験員を含む。)は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
厚生労働大臣は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、指定試験機関に対し、試験事務に関し監督上必要な命令をすることができる。
指定試験機関は、厚生労働大臣の許可を受けなければ、試験事務の全部又は一部を休止し、又は廃止してはならない。
厚生労働大臣は、指定試験機関が第七十五条の三第二項第三号又は第五号に該当するに至つたときは、その指定を取り消さなければならない。
2 厚生労働大臣は、指定試験機関が次の各号のいずれかに該当するに至つたときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて試験事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第七十五条の三第二項第六号に該当するとき。
二 第七十五条の四第二項、第七十五条の五第四項、第七十五条の六第三項又は第七十五条の九の規定による命令に違反したとき。
三 第七十五条の五第一項から第三項まで、第七十五条の七又は前条の規定に違反したとき。
四 第七十五条の六第一項の規定により認可を受けた試験事務規程によらないで試験事務を行つたとき。
五 第百十条第一項の条件に違反したとき。
都道府県労働局長は、指定試験機関が第七十五条の十の規定による厚生労働大臣の許可を受けて試験事務の全部若しくは一部を休止したとき、前条第二項の規定 により厚生労働大臣が指定試験機関に対し試験事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定試験機関が天災その他の事由により試験事務の全部若しく は一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、当該試験事務の全部若しくは一部を自ら行うものとする。
2 都道府県労働局長が前項の規定により試験事務を自ら行う場合、指定試験機関が第七十五条の十の規定による厚生労働大臣の許可を受けて試験事務の全部若しく は一部を廃止する場合、又は前条の規定により厚生労働大臣が指定試験機関の指定を取り消した場合における試験事務の引継ぎその他の必要な事項については、 厚生労働省令で定める。
第十四条又は第六十一条第一項の技能講習(以下「技能講習」という。)は、別表第十八に掲げる区分ごとに、学科講習又は実技講習によつて行う。
2 技能講習を行なつた者は、当該技能講習を修了した者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、技能講習修了証を交付しなければならない。
3 技能講習の受講資格及び受講手続その他技能講習の実施について必要な事項は、厚生労働省令で定める。
第十四条、第六十一条第一項又は第七十五条第三項の規定による登録(以下この条において「登録」という。)は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省令で定める区分ごとに、技能講習又は教習を行おうとする者の申請により行う。
2 都道府県労働局長は、前項の規定により登録を申請した者(以下この項において「登録申請者」という。)が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、登録をしなければならない。
一 別表第十九の上欄に掲げる技能講習又は教習については、それぞれ同表の下欄に掲げる機械器具その他の設備及び施設を用いて行うものであること。
二 技能講習にあつては別表第二十各号の表の講習科目の欄に掲げる講習科目に応じ、それぞれ同表の条件の欄に掲げる条件のいずれかに適合する知識経験を有する 者が技能講習を実施し、その人数が事業所ごとに一名以上であり、教習にあつては別表第二十一の上欄に掲げる教習に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる条件の いずれかに適合する知識経験を有する者が教習を実施し、その人数が事業所ごとに二名以上であること。
三 技能講習又は教習の業務を管理する者(教習にあつては、別表第二十二の上欄に掲げる教習に応じ、同表の下欄に掲げる条件のいずれかに適合する知識経験を有する者に限る。)が置かれていること。
四 教習にあつては、前項の申請の日前六月の間に登録申請者が行つた教習に相当するものを修了し、かつ、当該教習に係る免許試験の学科試験又は実技試験を受けた者のうちに当該学科試験又は実技試験に合格した者の占める割合が、九十五パーセント以上であること。
3 第四十六条第二項及び第四項の規定は第一項の登録について、第四十七条の二から第四十九条まで、第五十条第一項、第二項及び第四項、第五十二条、第五十二 条の二、第五十三条第一項(第四号を除く。以下この項において同じ。)並びに第五十三条の二の規定は第一項の登録を受けて技能講習又は教習を行う者(以下 「登録教習機関」という。)について準用する。
4 登録は、五年以上十年以内において政令で定める期間ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
5 第二項並びに第四十六条第二項及び第四項の規定は、前項の更新について準用する。
6 登録教習機関は、正当な理由がある場合を除き、毎事業年度、厚生労働省令で定めるところにより、技能講習又は教習の実施に関する計画を作成し、これに基づいて技能講習又は教習を実施しなければならない。
7 登録教習機関は、公正に、かつ、第七十五条第五項又は前条第三項の規定に従つて技能講習又は教習を行わなければならない。
厚生労働大臣は、重大な労働災害として厚生労働省令で定めるもの(以下この条において「重大な労働災害」という。)が発生した場合において、重大な労働災 害の再発を防止するため必要がある場合として厚生労働省令で定める場合に該当すると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、その 事業場の安全又は衛生に関する改善計画(以下「特別安全衛生改善計画」という。)を作成し、これを厚生労働大臣に提出すべきことを指示することができる。
2 事業者は、特別安全衛生改善計画を作成しようとする場合には、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
3 第一項の事業者及びその労働者は、特別安全衛生改善計画を守らなければならない。
4 厚生労働大臣は、特別安全衛生改善計画が重大な労働災害の再発の防止を図る上で適切でないと認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、当該特別安全衛生改善計画を変更すべきことを指示することができる。
5 厚生労働大臣は、第一項若しくは前項の規定による指示を受けた事業者がその指示に従わなかつた場合又は特別安全衛生改善計画を作成した事業者が当該特別安 全衛生改善計画を守つていないと認める場合において、重大な労働災害が再発するおそれがあると認めるときは、当該事業者に対し、重大な労働災害の再発の防 止に関し必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
6 厚生労働大臣は、前項の規定による勧告を受けた事業者がこれに従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
都道府県労働局長は、事業場の施設その他の事項について、労働災害の防止を図るため総合的な改善措置を講ずる必要があると認めるとき(前条第一項の規定に より厚生労働大臣が同項の厚生労働省令で定める場合に該当すると認めるときを除く。)は、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、当該事業場の 安全又は衛生に関する改善計画(以下「安全衛生改善計画」という。)を作成すべきことを指示することができる。
2 前条第二項及び第三項の規定は、安全衛生改善計画について準用する。
厚生労働大臣は、第七十八条第一項又は第四項の規定による指示をした場合において、専門的な助言を必要とすると認めるときは、当該事業者に対し、労働安全 コンサルタント又は労働衛生コンサルタントによる安全又は衛生に係る診断を受け、かつ、特別安全衛生改善計画の作成又は変更について、これらの者の意見を 聴くべきことを勧奨することができる。
2 前項の規定は、都道府県労働局長が前条第一項の規定による指示をした場合について準用する。
労働安全コンサルタントは、労働安全コンサルタントの名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、労働者の安全の水準の向上を図るため、事業場の安全についての診断及びこれに基づく指導を行なうことを業とする。
2 労働衛生コンサルタントは、労働衛生コンサルタントの名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、労働者の衛生の水準の向上を図るため、事業場の衛生についての診断及びこれに基づく指導を行なうことを業とする。
労働安全コンサルタント試験は、厚生労働大臣が行なう。
2 労働安全コンサルタント試験は、厚生労働省令で定める区分ごとに、筆記試験及び口述試験によつて行なう。
3 次の各号のいずれかに該当する者でなければ、労働安全コンサルタント試験を受けることができない。
一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による大学(短期大学を除く。)若しくは旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)による大学又は旧専門学校令 (明治三十六年勅令第六十一号)による専門学校において理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後五年以上安全の実務に従事した経験を有するもの
二 学校教育法による短期大学又は高等専門学校において理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後七年以上安全の実務に従事した経験を有するもの
三 前二号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者で、厚生労働省令で定めるもの
4 厚生労働大臣は、厚生労働省令で定める資格を有する者に対し、第二項の筆記試験又は口述試験の全部又は一部を免除することができる。
労働衛生コンサルタント試験は、厚生労働大臣が行なう。
2 前条第二項から第四項までの規定は、労働衛生コンサルタント試験について準用する。
厚生労働大臣は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣の指定する者(以下「指定コンサルタント試験機関」という。)に労働安全コンサルタント 試験又は労働衛生コンサルタント試験の実施に関する事務(合格の決定に関する事務を除く。以下「コンサルタント試験事務」という。)の全部又は一部を行わ せることができる。
第七十五条の二第二項及び第三項並びに第七十五条の三から第七十五条の十二までの規定は、前条の規定による指定、指定コンサルタント試験機関及びコンサルタント試験事務について準用する。
労働安全コンサルタント試験又は労働衛生コンサルタント試験に合格した者は、厚生労働省に備える労働安全コンサルタント名簿又は労働衛生コンサルタント名 簿に、氏名、事務所の所在地その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けて、労働安全コンサルタント又は労働衛生コンサルタントとなることができる。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、前項の登録を受けることができない。
一 成年被後見人又は被保佐人
二 この法律又はこれに基づく命令の規定に違反して、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
三 この法律及びこれに基づく命令以外の法令の規定に違反して、禁錮こ 以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
四 次条第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
厚生労働大臣は、労働安全コンサルタント又は労働衛生コンサルタント(以下「コンサルタント」という。)が前条第二項第一号から第三号までのいずれかに該当するに至つたときは、その登録を取り消さなければならない。
2 厚生労働大臣は、コンサルタントが第八十六条の規定に違反したときは、その登録を取り消すことができる。
厚生労働大臣は、厚生労働大臣の指定する者(以下「指定登録機関」という。)に、コンサルタントの登録の実施に関する事務(前条の規定による登録の取消しに関する事務を除く。以下「登録事務」という。)を行わせることができる。
2 指定登録機関が登録事務を行う場合における第八十四条第一項の規定の適用については、同項中「厚生労働省に」とあるのは「指定登録機関に」とする。
第七十五条の二第二項及び第三項、第七十五条の三、第七十五条の四並びに第七十五条の六から第七十五条の十二までの規定は、前条第一項の規定による指定、指定登録機関及び登録事務について準用する。
コンサルタントは、コンサルタントの信用を傷つけ、又はコンサルタント全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
2 コンサルタントは、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
その名称中に日本労働安全衛生コンサルタント会という文字を用いる一般社団法人は、コンサルタントを社員とする旨の定款の定めがあり、かつ、全国のコンサ ルタントの品位の保持及びその業務の進歩改善に資するため、社員の指導及び連絡に関する事務を全国的に行うことを目的とするものに限り、設立することがで きる。
2 前項に規定する定款の定めは、これを変更することができない。
3 第一項の一般社団法人(以下「コンサルタント会」という。)は、成立したときは、成立の日から二週間以内に、登記事項証明書及び定款の写しを添えて、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
4 コンサルタント会の業務は、厚生労働大臣の監督に属する。
5 厚生労働大臣は、コンサルタント会の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、いつでも、当該業務及びコンサルタント会の財産の状況を検査し、又はコンサルタント会に対し、当該業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
6 コンサルタント会以外の者は、その名称中に日本労働安全衛生コンサルタント会という文字を用いてはならない。
事業者は、機械等で、危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののう ち、厚生労働省令で定めるものを設置し、若しくは移転し、又はこれらの主要構造部分を変更しようとするときは、その計画を当該工事の開始の日の三十日前ま でに、厚生労働省令で定めるところにより、労働基準監督署長に届け出なければならない。
2 事業者は、建設業に属する事業の仕事のうち重大な労働災害を生ずるおそれがある特に大規模な仕事で、厚生労働省令で定めるものを開始しようとするときは、 その計画を当該仕事の開始の日の三十日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に届け出なければならない。
3 事業者は、建設業その他政令で定める業種に属する事業の仕事(建設業に属する事業にあつては、前項の厚生労働省令で定める仕事を除く。)で、厚生労働省令 で定めるものを開始しようとするときは、その計画を当該仕事の開始の日の十四日前までに、厚生労働省令で定めるところにより、労働基準監督署長に届け出な ければならない。
4 事業者は、第一項の規定による届出に係る工事のうち厚生労働省令で定める工事の計画、第二項の厚生労働省令で定める仕事の計画又は前項の規定による届出に 係る仕事のうち厚生労働省令で定める仕事の計画を作成するときは、当該工事に係る建設物若しくは機械等又は当該仕事から生ずる労働災害の防止を図るため、 厚生労働省令で定める資格を有する者を参画させなければならない。
5 前三項の規定(前項の規定のうち、第一項の規定による届出に係る部分を除く。)は、当該仕事が数次の請負契約によつて行われる場合において、当該仕事を自 ら行う発注者がいるときは当該発注者以外の事業者、当該仕事を自ら行う発注者がいないときは元請負人以外の事業者については、適用しない。
6 労働基準監督署長は第一項又は第三項の規定による届出があつた場合において、厚生労働大臣は第二項の規定による届出があつた場合において、それぞれ当該届 出に係る事項がこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反すると認めるときは、当該届出をした事業者に対し、その届出に係る工事若しくは仕事の開始を差し 止め、又は当該計画を変更すべきことを命ずることができる。
7 厚生労働大臣又は労働基準監督署長は、前項の規定による命令(第二項又は第三項の規定による届出をした事業者に対するものに限る。)をした場合において、 必要があると認めるときは、当該命令に係る仕事の発注者(当該仕事を自ら行う者を除く。)に対し、労働災害の防止に関する事項について必要な勧告又は要請 を行うことができる。
厚生労働大臣は、前条第一項から第三項までの規定による届出(次条を除き、以下「届出」という。)があつた計画のうち、高度の技術的検討を要するものについて審査をすることができる。
2 厚生労働大臣は、前項の審査を行なうに当たつては、厚生労働省令で定めるところにより、学識経験者の意見をきかなければならない。
3 厚生労働大臣は、第一項の審査の結果必要があると認めるときは、届出をした事業者に対し、労働災害の防止に関する事項について必要な勧告又は要請をすることができる。
4 厚生労働大臣は、前項の勧告又は要請をするに当たつては、あらかじめ、当該届出をした事業者の意見をきかなければならない。
5 第二項の規定により第一項の計画に関してその意見を求められた学識経験者は、当該計画に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
都道府県労働局長は、第八十八条第一項又は第三項の規定による届出があつた計画のうち、前条第一項の高度の技術的検討を要するものに準ずるものとして当該 計画に係る建設物若しくは機械等又は仕事の規模その他の事項を勘案して厚生労働省令で定めるものについて審査をすることができる。
2 前条第二項から第五項までの規定は、前項の審査について準用する。
労働基準監督署長及び労働基準監督官は、厚生労働省令で定めるところにより、この法律の施行に関する事務をつかさどる。
労働基準監督官は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、事業場に立ち入り、関係者に質問し、帳簿、書類その他の物件を検査し、若しくは作業環境測定を行い、又は検査に必要な限度において無償で製品、原材料若しくは器具を収去することができる。
2 医師である労働基準監督官は、第六十八条の疾病にかかつた疑いのある労働者の検診を行なうことができる。
3 前二項の場合において、労働基準監督官は、その身分を示す証票を携帯し、関係者に提示しなければならない。
4 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
労働基準監督官は、この法律の規定に違反する罪について、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の規定による司法警察員の職務を行なう。
厚生労働省、都道府県労働局及び労働基準監督署に、産業安全専門官及び労働衛生専門官を置く。
2 産業安全専門官は、第三十七条第一項の許可、特別安全衛生改善計画、安全衛生改善計画及び届出に関する事務並びに労働災害の原因の調査その他特に専門的知 識を必要とする事務で、安全に係るものをつかさどるほか、事業者、労働者その他の関係者に対し、労働者の危険を防止するため必要な事項について指導及び援 助を行う。
3 労働衛生専門官は、第五十六条第一項の許可、第五十七条の四第四項の規定による勧告、第五十七条の五第一項の規定による指示、第六十五条の規定による作業 環境測定についての専門技術的事項、特別安全衛生改善計画、安全衛生改善計画及び届出に関する事務並びに労働災害の原因の調査その他特に専門的知識を必要 とする事務で、衛生に係るものをつかさどるほか、事業者、労働者その他の関係者に対し、労働者の健康障害を防止するため必要な事項及び労働者の健康の保持 増進を図るため必要な事項について指導及び援助を行う。
4 前三項に定めるもののほか、産業安全専門官及び労働衛生専門官について必要な事項は、厚生労働省令で定める。
産業安全専門官又は労働衛生専門官は、前条第二項又は第三項の規定による事務を行うため必要があると認めるときは、事業場に立ち入り、関係者に質問し、帳 簿、書類その他の物件を検査し、若しくは作業環境測定を行い、又は検査に必要な限度において無償で製品、原材料若しくは器具を収去することができる。
2 第九十一条第三項及び第四項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。
都道府県労働局に、労働衛生指導医を置く。
2 労働衛生指導医は、第六十五条第五項又は第六十六条第四項の規定による指示に関する事務その他労働者の衛生に関する事務に参画する。
3 労働衛生指導医は、労働衛生に関し学識経験を有する医師のうちから、厚生労働大臣が任命する。
4 労働衛生指導医は、非常勤とする。
厚生労働大臣は、型式検定に合格した型式の機械等の構造並びに当該機械等を製造し、及び検査する設備等に関し労働者の安全と健康を確保するため必要がある と認めるときは、その職員をして当該型式検定を受けた者の事業場又は当該型式検定に係る機械等若しくは設備等の所在すると認める場所に立ち入り、関係者に 質問させ、又は当該機械等若しくは設備等その他の物件を検査させることができる。
2 厚生労働大臣は、コンサルタントの業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、その職員をしてコンサルタントの事務所に立ち入り、関係者に 質問させ、又はその業務に関係のある帳簿若しくは書類(その作成、備付け又は保存に代えて電磁的記録の作成、備付け又は保存がされている場合における当該 電磁的記録を含む。)を検査させることができる。
3 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、登録製造時等検査機関、登録性能検査機関、登録個別検定機関、登録型式検定機関、検査業者、指定試験機関、登録教習 機関、指定コンサルタント試験機関又は指定登録機関(外国登録製造時等検査機関、外国登録性能検査機関、外国登録個別検定機関及び外国登録型式検定機関 (第百二十三条第一号において「外国登録製造時等検査機関等」という。)を除く。)(以下「登録製造時等検査機関等」という。)の業務の適正な運営を確保 するため必要があると認めるときは、その職員をしてこれらの事務所に立ち入り、関係者に質問させ、又はその業務に関係のある帳簿、書類その他の物件を検査 させることができる。
4 都道府県労働局長は、労働衛生指導医を前条第二項の規定による事務に参画させるため必要があると認めるときは、当該労働衛生指導医をして事業場に立ち入り、関係者に質問させ、又は作業環境測定若しくは健康診断の結果の記録その他の物件を検査させることができる。
5 第九十一条第三項及び第四項の規定は、前各項の規定による立入検査について準用する。
厚生労働大臣は、第九十三条第二項又は第三項の規定による労働災害の原因の調査が行われる場合において、当該労働災害の規模その他の状況から判断して必要 があると認めるときは、独立行政法人労働者健康安全機構(以下「機構」という。)に、当該調査を行わせることができる。
2 厚生労働大臣は、必要があると認めるときは、機構に、第九十四条第一項の規定による立入検査(前項に規定する調査に係るものに限る。)を行わせることができる。
3 厚生労働大臣は、前項の規定により機構に立入検査を行わせる場合には、機構に対し、当該立入検査の場所その他必要な事項を示してこれを実施すべきことを指示するものとする。
4 機構は、前項の指示に従つて立入検査を行つたときは、その結果を厚生労働大臣に報告しなければならない。
5 第九十一条第三項及び第四項の規定は、第二項の規定による立入検査について準用する。
厚生労働大臣は、前条第一項に規定する調査に係る業務及び同条第二項に規定する立入検査の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、機構に対し、これらの業務に関し必要な命令をすることができる。
労働者は、事業場にこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実があるときは、その事実を都道府県労働局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官に申告して是正のため適当な措置をとるように求めることができる。
2 事業者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、第二十条から第二十五条まで、第二十五条の二第一項、第三十条の三第一項若しくは第四項、第三十一条第一項、第 三十一条の二、第三十三条第一項又は第三十四条の規定に違反する事実があるときは、その違反した事業者、注文者、機械等貸与者又は建築物貸与者に対し、作 業の全部又は一部の停止、建設物等の全部又は一部の使用の停止又は変更その他労働災害を防止するため必要な事項を命ずることができる。
2 都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、前項の規定により命じた事項について必要な事項を労働者、請負人又は建築物の貸与を受けている者に命ずることができる。
3 労働基準監督官は、前二項の場合において、労働者に急迫した危険があるときは、これらの項の都道府県労働局長又は労働基準監督署長の権限を即時に行うことができる。
4 都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、請負契約によつて行われる仕事について第一項の規定による命令をした場合において、必要があると認めるときは、 当該仕事の注文者(当該仕事が数次の請負契約によつて行われるときは、当該注文者の請負契約の先次のすべての請負契約の当事者である注文者を含み、当該命 令を受けた注文者を除く。)に対し、当該違反する事実に関して、労働災害を防止するため必要な事項について勧告又は要請を行うことができる。
都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、前条第一項の場合以外の場合において、労働災害発生の急迫した危険があり、かつ、緊急の必要があるときは、必要 な限度において、事業者に対し、作業の全部又は一部の一時停止、建設物等の全部又は一部の使用の一時停止その他当該労働災害を防止するため必要な応急の措 置を講ずることを命ずることができる。
2 都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、前項の規定により命じた事項について必要な事項を労働者に命ずることができる。
都道府県労働局長は、労働災害が発生した場合において、その再発を防止するため必要があると認めるときは、当該労働災害に係る事業者に対し、期間を定め て、当該労働災害が発生した事業場の総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、統括安全衛生責任者その他労働災害の防止のための業務に従事する者(次 項において「労働災害防止業務従事者」という。)に都道府県労働局長の指定する者が行う講習を受けさせるよう指示することができる。
2 前項の規定による指示を受けた事業者は、労働災害防止業務従事者に同項の講習を受けさせなければならない。
3 前二項に定めるもののほか、講習の科目その他第一項の講習について必要な事項は、厚生労働省令で定める。
都道府県労働局長は、第六十一条第一項の規定により同項に規定する業務に就くことができる者が、当該業務について、この法律又はこれに基づく命令の規定に 違反して労働災害を発生させた場合において、その再発を防止するため必要があると認めるときは、その者に対し、期間を定めて、都道府県労働局長の指定する 者が行う講習を受けるよう指示することができる。
2 前条第三項の規定は、前項の講習について準用する。
厚生労働大臣、都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者、 労働者、機械等貸与者、建築物貸与者又はコンサルタントに対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。
2 厚生労働大臣、都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、登録製造時等検査機関等に対し、必要な事項を報告させることができる。
3 労働基準監督官は、この法律を施行するため必要があると認めるときは、事業者又は労働者に対し、必要な事項を報告させ、又は出頭を命ずることができる。
事業者は、この法律及びこれに基づく命令の要旨を常時各作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付けることその他の厚生労働省令で定める方法により、労働者に周知させなければならない。
2 事業者は、第五十七条の二第一項又は第二項の規定により通知された事項を、化学物質、化学物質を含有する製剤その他の物で当該通知された事項に係るものを 取り扱う各作業場の見やすい場所に常時掲示し、又は備え付けることその他の厚生労働省令で定める方法により、当該物を取り扱う労働者に周知させなければな らない。
ガス工作物その他政令で定める工作物を設けている者は、当該工作物の所在する場所又はその附近で工事その他の仕事を行なう事業者から、当該工作物による労働災害の発生を防止するためにとるべき措置についての教示を求められたときは、これを教示しなければならない。
事業者は、厚生労働省令で定めるところにより、この法律又はこれに基づく命令の規定に基づいて作成した書類(次項及び第三項の帳簿を除く。)を、保存しなければならない。
2 登録製造時等検査機関、登録性能検査機関、登録個別検定機関、登録型式検定機関、検査業者、指定試験機関、登録教習機関、指定コンサルタント試験機関又は 指定登録機関は、厚生労働省令で定めるところにより、製造時等検査、性能検査、個別検定、型式検定、特定自主検査、免許試験、技能講習、教習、労働安全コ ンサルタント試験、労働衛生コンサルタント試験又はコンサルタントの登録に関する事項で、厚生労働省令で定めるものを記載した帳簿を備え、これを保存しな ければならない。
3 コンサルタントは、厚生労働省令で定めるところにより、その業務に関する事項で、厚生労働省令で定めるものを記載した帳簿を備え、これを保存しなければならない。
第六十五条の二第一項及び第六十六条第一項から第四項までの規定による健康診断、第六十六条の八第一項の規定による面接指導、第六十六条の十第一項の規定 による検査又は同条第三項の規定による面接指導の実施の事務に従事した者は、その実施に関して知り得た労働者の秘密を漏らしてはならない。
削除
国は、第十九条の三、第二十八条の二第三項、第五十七条の三第四項、第五十八条、第六十三条、第六十六条の十第九項、第七十一条及び第七十一条の四に定め るもののほか、労働災害の防止に資するため、事業者が行う安全衛生施設の整備、特別安全衛生改善計画又は安全衛生改善計画の実施その他の活動について、金 融上の措置、技術上の助言その他必要な援助を行うように努めるものとする。
2 国は、前項の援助を行うに当たつては、中小企業者に対し、特別の配慮をするものとする。
厚生労働大臣は、安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者、衛生推進者、産業医、コンサルタントその他労働災害の防止のための業務に従事する者の資質の向上を図り、及び労働者の労働災害防止の思想を高めるため、資料の提供その他必要な援助を行うように努めるものとする。
政府は、労働災害の防止に資する科学技術の振興を図るため、研究開発の推進及びその成果の普及その他必要な措置を講ずるように努めるものとする。
厚生労働大臣は、労働者がさらされる化学物質等又は労働者の従事する作業と労働者の疾病との相関関係をは握するため必要があると認めるときは、疫学的調査その他の調査(以下この条において「疫学的調査等」という。)を行うことができる。
2 厚生労働大臣は、疫学的調査等の実施に関する事務の全部又は一部を、疫学的調査等について専門的知識を有する者に委託することができる。
3 厚生労働大臣又は前項の規定による委託を受けた者は、疫学的調査等の実施に関し必要があると認めるときは、事業者、労働者その他の関係者に対し、質問し、又は必要な報告若しくは書類の提出を求めることができる。
4 第二項の規定により厚生労働大臣が委託した疫学的調査等の実施の事務に従事した者は、その実施に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
国は、労働災害の防止のための施策を進めるに当たつては、地方公共団体の立場を尊重し、これと密接に連絡し、その理解と協力を求めなければならない。
この法律の規定による許可、免許、指定又は登録(第五十四条の三第一項又は第八十四条第一項の規定による登録に限る。次項において同じ。)には、条件を付し、及びこれを変更することができる。
2 前項の条件は、当該許可、免許、指定又は登録に係る事項の確実な実施を図るため必要な最少限度のものに限り、かつ、当該許可、免許、指定又は登録を受ける者に不当な義務を課することとなるものであつてはならない。
第三十八条の検査、性能検査、個別検定又は型式検定の結果についての処分については、審査請求をすることができない。
2 指定試験機関が行う試験事務に係る処分若しくはその不作為、指定コンサルタント試験機関が行うコンサルタント試験事務に係る処分若しくはその不作為又は指 定登録機関が行う登録事務に係る処分若しくはその不作為については、厚生労働大臣に対し、審査請求をすることができる。
次の者は、政令で定めるところにより、手数料を国(指定試験機関が行う免許試験を受けようとする者にあつては指定試験機関、指定コンサルタント試験機関が 行う労働安全コンサルタント試験又は労働衛生コンサルタント試験を受けようとする者にあつては指定コンサルタント試験機関、指定登録機関が行う登録を受け ようとする者にあつては指定登録機関)に納付しなければならない。
一 免許を受けようとする者
一の二 第十四条、第六十一条第一項又は第七十五条第三項の登録の更新を受けようとする者
二 技能講習(登録教習機関が行うものを除く。)を受けようとする者
三 第三十七条第一項の許可を受けようとする者
四 第三十八条の検査(登録製造時等検査機関が行うものを除く。)を受けようとする者
四の二 第三十八条第一項、第四十一条第二項、第四十四条第一項若しくは第四十四条の二第一項の登録又はその更新を受けようとする者
五 検査証の再交付又は書替え(登録製造時等検査機関が行うものを除く。)を受けようとする者
六 性能検査(登録性能検査機関が行うものを除く。)を受けようとする者
七 個別検定(登録個別検定機関が行うものを除く。)を受けようとする者
七の二 型式検定(登録型式検定機関が行うものを除く。)を受けようとする者
八 第五十六条第一項の許可を受けようとする者
九 第七十二条第一項の免許証の再交付又は書替えを受けようとする者
十 免許の有効期間の更新を受けようとする者
十一 免許試験を受けようとする者
十二 労働安全コンサルタント試験又は労働衛生コンサルタント試験を受けようとする者
十三 第八十四条第一項の登録を受けようとする者
2 前項の規定により指定試験機関、指定コンサルタント試験機関又は指定登録機関に納められた手数料は、それぞれ、指定試験機関、指定コンサルタント試験機関又は指定登録機関の収入とする。
厚生労働大臣は、次の場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を官報で告示しなければならない。
一 第三十八条第一項、第四十一条第二項、第四十四条第一項又は第四十四条の二第一項の規定による登録をしたとき。
二 第四十四条の四の規定により型式検定合格証の効力を失わせたとき。
三 第四十七条の二又は第四十九条(第五十三条の三から第五十四条の二までにおいてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定による届出があつたとき。
四 第五十三条第一項(第五十三条の三から第五十四条の二までにおいて準用する場合を含む。)の規定により登録を取り消し、又は製造時等検査、性能検査、個別検定若しくは型式検定の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。
五 第五十三条第二項(第五十三条の三から第五十四条の二までにおいて準用する場合を含む。)の規定により登録を取り消したとき。
六 第五十三条の二(第五十三条の三から第五十四条の二まで及び第七十七条第三項において準用する場合を含む。)の規定により都道府県労働局長、労働基準監督 署長若しくは厚生労働大臣が製造時等検査、性能検査、個別検定、型式検定若しくは技能講習の業務の全部若しくは一部を自ら行うものとするとき、又は都道府 県労働局長、労働基準監督署長若しくは厚生労働大臣が自ら行つていた製造時等検査、性能検査、個別検定、型式検定若しくは技能講習の業務の全部若しくは一 部を行わないものとするとき。
七 第七十五条の二第一項、第八十三条の二又は第八十五条の二第一項の規定による指定をしたとき。
八 第七十五条の十(第八十三条の三及び第八十五条の三において準用する場合を含む。)の許可をしたとき。
九 第七十五条の十一第一項(第八十三条の三及び第八十五条の三において準用する場合を含む。)の規定による取消しをしたとき。
十 第七十五条の十一第二項(第八十三条の三及び第八十五条の三において準用する場合を含む。)の規定により指定を取り消し、又は試験事務若しくはコンサルタント試験事務の全部若しくは一部若しくは登録事務の停止を命じたとき。
十 一 第七十五条の十二第一項(第八十三条の三及び第八十五条の三において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定により都道府県労働局長若しく は厚生労働大臣が試験事務若しくはコンサルタント試験事務の全部若しくは一部若しくは登録事務を自ら行うものとするとき、又は同項の規定により都道府県労 働局長若しくは厚生労働大臣が自ら行つていた試験事務若しくはコンサルタント試験事務の全部若しくは一部若しくは登録事務を行わないものとするとき。
2 都道府県労働局長は、次の場合には、厚生労働省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
一 第十四条、第六十一条第一項又は第七十五条第三項の規定による登録をしたとき。
二 第七十七条第三項において準用する第四十七条の二又は第四十九条の規定による届出があつたとき。
三 第七十七条第三項において準用する第五十三条第一項の規定により登録を取り消し、又は技能講習若しくは教習の業務の全部若しくは一部の停止を命じたとき。
この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃するときは、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
鉱山保安法(昭和二十四年法律第七十号)第二条第二項及び第四項の規定による鉱山における保安(衛生に関する通気及び災害時の救護を含む。次条第一項にお いて同じ。)については、第二章中「厚生労働大臣」とあるのは「経済産業大臣」と、「労働政策審議会」とあるのは「中央鉱山保安協議会」とする。
2 鉱山保安法第二条第二項及び第四項の規定による鉱山に関しては、第三章中「総括安全衛生管理者」とあるのは「総括衛生管理者」と、「安全衛生推進者」とあるのは「衛生推進者」とする。
この法律(第二章の規定を除く。)は、鉱山保安法第二条第二項及び第四項の規定による鉱山における保安については、適用しない。
2 この法律は、船員法(昭和二十二年法律第百号)の適用を受ける船員については、適用しない。
製造時等検査、性能検査、個別検定又は型式検定の業務(以下この条において「特定業務」という。)に従事する登録製造時等検査機関、登録性能検査機関、登 録個別検定機関又は登録型式検定機関(以下この条において「特定機関」という。)の役員又は職員が、その職務に関して、賄賂ろ を収受し、要求し、又は約束したときは、五年以下の懲役に処する。
2 特定業務に従事する特定機関の役員又は職員になろうとする者が、就任後担当すべき職務に関し、請託を受けて賄賂ろ を収受し、要求し、又は約束したときは、役員又は職員になつた場合において、五年以下の懲役に処する。
3 特定業務に従事する特定機関の役員又は職員であつた者が、その在職中に請託を受けて、職務上不正の行為をしたこと又は相当の行為をしなかつたことに関して、賄賂ろ を収受し、要求し、又は約束したときは、五年以下の懲役に処する。
4 前三項の場合において、犯人が収受した賄賂ろ は、没収する。
前条第一項から第三項までに規定する賄賂ろ を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
第百十五条の二第一項から第三項までの罪は、刑法第四条の例に従う。
第五十五条の規定に違反した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
第三十七条第一項、第四十四条第一項、第四十四条の二第一項、第五十六条第一項、第七十五条の八第一項(第八十三条の三及び第八十五条の三において準用する場合を含む。)又は第八十六条第二項の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
第五十三条第一項(第五十三条の三から第五十四条の二まで及び第七十七条第三項において準用する場合を含む。)、第五十四条の六第二項又は第七十五条の十 一第二項(第八十三条の三及び第八十五条の三において準用する場合を含む。)の規定による業務の停止の命令に違反したときは、その違反行為をした登録製造 時等検査機関等の役員又は職員は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第十四条、第二十条から第二十五条まで、第二十五条の二第一項、第三十条の三第一項若しくは第四項、第三十一条第一項、第三十一条の二、第三十三条第一項 若しくは第二項、第三十四条、第三十五条、第三十八条第一項、第四十条第一項、第四十二条、第四十三条、第四十四条第六項、第四十四条の二第七項、第五十 六条第三項若しくは第四項、第五十七条の四第五項、第五十七条の五第五項、第五十九条第三項、第六十一条第一項、第六十五条第一項、第六十五条の四、第六 十八条、第八十九条第五項(第八十九条の二第二項において準用する場合を含む。)、第九十七条第二項、第百四条又は第百八条の二第四項の規定に違反した者
二 第四十三条の二、第五十六条第五項、第八十八条第六項、第九十八条第一項又は第九十九条第一項の規定による命令に違反した者
三 第五十七条第一項の規定による表示をせず、若しくは虚偽の表示をし、又は同条第二項の規定による文書を交付せず、若しくは虚偽の文書を交付した者
四 第六十一条第四項の規定に基づく厚生労働省令に違反した者
次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第十条第一項、第十一条第一項、第十二条第一項、第十三条第一項、第十五条第一項、第三項若しくは第四項、第十五条の二第一項、第十六条第一項、第十七条 第一項、第十八条第一項、第二十五条の二第二項(第三十条の三第五項において準用する場合を含む。)、第二十六条、第三十条第一項若しくは第四項、第三十 条の二第一項若しくは第四項、第三十二条第一項から第六項まで、第三十三条第三項、第四十条第二項、第四十四条第五項、第四十四条の二第六項、第四十五条 第一項若しくは第二項、第五十七条の四第一項、第五十九条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第六十一条第二項、第六十六条第一項から第 三項まで、第六十六条の三、第六十六条の六、第八十七条第六項、第八十八条第一項から第四項まで、第百一条第一項又は第百三条第一項の規定に違反した者
二 第十一条第二項(第十二条第二項及び第十五条の二第二項において準用する場合を含む。)、第五十七条の五第一項、第六十五条第五項、第六十六条第四項、第九十八条第二項又は第九十九条第二項の規定による命令又は指示に違反した者
三 第四十四条第四項又は第四十四条の二第五項の規定による表示をせず、又は虚偽の表示をした者
四 第九十一条第一項若しくは第二項、第九十四条第一項又は第九十六条第一項、第二項若しくは第四項の規定による立入り、検査、作業環境測定、収去若しくは検診を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
五 第百条第一項又は第三項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は出頭しなかつた者
六 第百三条第三項の規定による帳簿の備付け若しくは保存をせず、又は同項の帳簿に虚偽の記載をした者
次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした登録製造時等検査機関等の役員又は職員は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第四十九条(第五十三条の三から第五十四条の二まで及び第七十七条第三項において準用する場合を含む。)の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
二 第七十五条の十(第八十三条の三及び第八十五条の三において準用する場合を含む。)の許可を受けないで試験事務若しくはコンサルタント試験事務の全部又は登録事務を廃止したとき。
三 第九十六条第三項の規定による立入り若しくは検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をしたとき。
四 第百条第二項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をしたとき。
五 第百三条第二項の規定による帳簿の備付け若しくは保存をせず、又は同項の帳簿に虚偽の記載をしたとき。
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第百十六条、第百十七条、第百十九条又は第百二十条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をしたコンサルタント会の理事、監事又は清算人は、五十万円以下の過料に処する。
一 第八十七条第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をしたとき。
二 第八十七条第五項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は同項の規定による命令に違反したとき。
次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の過料に処する。
一 第五十条第一項(第五十三条の三から第五十四条の二まで及び第七十七条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反して財務諸表等を備えて置かず、 財務諸表等に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は正当な理由がないのに第五十条第二項(第五十三条の三から第五十四条の二まで及び第 七十七条第三項において準用する場合を含む。)の規定による請求を拒んだ者(外国登録製造時等検査機関等を除く。)
二 機構が第九十六条の三の規定による命令に違反した場合におけるその違反行為をした機構の役員